K-1初参戦となった2月の初代ライト級王座決定トーナメントでは一回戦でウェイ・ルイにKO負けを喫した佐々木。しかし6月の中国遠征で勝利を収めると、8月のKrush後楽園大会ではKrush-63kg王者として谷山俊樹の挑戦を退けて2度目の防衛に成功した。佐々木はウェイ・ルイ戦を「連勝していてK-1参戦も決まって浮かれていた」と振り返り、気持ちの変化が現在の連勝につながっていると自己分析している。

「（ウェイ・ルイ戦が終わって）一番変わったのは気持ちの部分ですね。正直、あの時は連勝していてK-1参戦も決まって浮かれていたと思うし、調子に乗っていたと思います（苦笑）。でもあそこでウェイ・ルイに負けて気持ちを引き締め直しました。僕は応援してくれている人たちと一緒に戦っているという部分でも、普段から重圧を背負って生きているようにしていて、あまり浮足立つようには過ごしていません。

　またあれから『なんで格闘技をやっているか？』という原点に戻って、やっぱりそれは格闘技が好きだからなんですよね。で、それだったら楽しんでやらないと損だなと思うようになって。その気持ちを持ったまま試合したら、結果を出すことが出来て、試合が楽しいという気持ちをも取り戻せたので、中国遠征とKrushの防衛戦はプラスになった2戦でした」

　佐々木はKrush-63kgのベルトを保持し、K-1ではライト級（62.5kg）で戦っており、今回は一階級上のスーパー・ライト級（65kg）で平本と対戦する形だ。過去にKrushで-65kgで試合をしたこともある佐々木は「僕は普段も体重が軽い方ではないので、65kgでやってもそこまで変わらないと思います。最後の体重を落とす段階でも、より練習に集中できると思います」と階級的な不安はなし。

　むしろ「いつも追い込み中に体重を気にしながらやっているのですが、今回はそれがない。相手の対策や自分の力を上げる練習に専念できる。前回よりも強い姿を見せられると思うし、スーパー・ライト級でやることで新たなものが見えてくると思うので楽しみ」と話し、公開練習でもパワフルなパンチ・ミドルキックを繰り出していった。

　対戦相手の平本とは2016年6月にKrushで対戦して、勝利している佐々木。平本は自身の公開練習で「佐々木選手陣営がやってくることは分かる」や「圧倒的にぶっ潰す」と強気なコメントを連発しているが「僕と試合をした時から（平本が）変わっているとは思わない」と切り捨て「あれから間違いなく僕の方が強くなっているし、当日試合を見れば分かると思いますよ」と言い切る。

「僕と試合をしたあとに（平本は）階級を上げるということで、もう試合することはないかなって感じでした。（自分と戦って以降の平本について）僕から見て…特に変わっていないですね。K-1のお客さんから見ると、2月のトーナメントでゴンナパーをKOしたり、決勝でウェイ・ルイと戦ったり、そういう印象が強いかもしれませんが、そんなに変わっていないですよね。あれから僕の方が強くなっている自信もあるし、そうじゃなかったらオファーを受けていません。

　前回の対戦も9：1くらいで僕の勝利予想が下回っていて、今回もそれと同じだと思います。でもそういう周りの見る目や予想を覆してやろうと思います。（平本の発言について）個人個人一ファイターが思うことだから別にいいんじゃないですか？　それに乗ってやろうとも思わないし、当日、試合を見れば分かると思います」

　今後のK-1での目標について佐々木は「K-1の頂点しか見ていない。K-1のチャンピオンベルトを巻くことを見据えて、一戦一戦ぶれずに戦っていきます」。階級に関しても「ライト級とスーパー・ライト級でそこまで違いはないと思うので、チャンスがあればどちらの階級でもやっていきたい。ウェイ・ルイにリベンジしたい気持ちもありますが、それ以上にK-1のベルトへの想いが強いです」と語っている。

　いずれにせよ平本戦の結果が今後の動向に影響するのは明らか。佐々木は「K-1での試合は2月ぶりで、みなさんはあの時の印象が強いと思います。また相手（平本）に対する期待も大きいと思いますが。そういった予想や期待を覆します」と番狂わせを誓った。