新生K-1参戦以降、2連続KO中の大和哲也。昨日の大会ではKrush-65kg王者・中澤純となったが“伝家の宝刀”左フックでKO勝利を収めた。会見では左フックの秘密と自らが提唱する合氣ックについて語り、来年3月21日（水・祝）さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで行われる“新生K-1史上最大のビッグマッチ”「K'FESTA.1」（ケイズ・フェスタ・ワン）でのスーパー・ライト級王座挑戦をアピールした。

「今、野杁正明選手がK-1スーパー・ライト級のチャンピオンで、中澤選手は同じ階級で同じ日本人のKrushのチャンピオンとの試合だったので、いい形で勝利することがベルト挑戦へのアピールになるだろうと思っていました。その中で1RKOで仕留めたことは次につながるんじゃないかな、と。しっかり差を見せて勝つことができたので、タイトル挑戦にアピールできたと思います。来年3月に野杁選手の持つベルトに挑戦させてもらいたいと声を大にしてアピールしたいと思います。

　格闘家には色んな選手がいますけど、僕は“Fight for Peace”＝戦いを転じて世の中を平和にしたいと思って戦っています。僕は対戦相手をぶっ倒そうとかやっつけようとは思っていません。矛盾しているかもしれませんが、僕は“戦い”は大事だと思っていて、人生や生きていく上で“戦い”は大事です。でもその“戦い”は争うことではなく競い合うことです。僕はそういった“戦い”によって世の中を平和にしたいと思っています。そこには精神性や心の必要性が大事で、それを伝えるものが合氣ックであり、それを伝えることが僕の使命だと思います。

　僕はリングネームは日本の魂を持った“大和”哲也で、それを伝えるステージがK-1です。K-1のベルトを獲ることが目標ではなく、ベルトを獲って更に世間の人にアピールしていくかけ橋になると思っています。改めて野杁正明という強いチャンピオンに挑戦させてもらいたいと思います。

（フィニッシュの左フックは？）僕はいつも拳を縦にして左フックを打つんですけど、会場でミット打ちをやっている時にふと『今日はこっち（横）だな』と思って、何も考えずにふと出したら当たったパンチでした。当てたタイミングもまさに後の先（ごのせん）で、あの場面に合氣ックが凝縮されていたと思います。あのコンマ何秒の世界で心を静めて（相手を）捉えたことが左フックが当たった理由です。

（技の幅が広がった？）これもありだなと思って、幅が広がりました。僕の左フックは伝家の宝刀と言ってもらって、自分では全部の技が得意技だと思っているんですが、伝家の宝刀が2パターンになったので、自信を持って戦いたいと思います。

（精神的に変わった？）僕は格闘家であり表現者です。格闘家は表現の仕方がパンチやキックというだけで、例えば歌手の方は歌を歌うし、役者の方は演技をする。僕はそういう想いで戦っていて、それが最近は腑に落ちているので試合で冷静に戦えていると思います。バックステージで魔裟斗さんに『淡々としているね』と言われてうれしかったんですけど、自分の良いところが出せているんじゃないかと思います。

（野杁について）過去にムエタイルールで戦って勝っているのですが、K-1ルールとは全く別物だと思っています。野杁選手はずっと昔から強くて地元も一緒で、僕はリングに私情を持ち込まないのでプライベートでも交流があります。そうやって仲がいいからこそ僕は全力で戦いたいです。僕は物事は運命であり必然だと思っています。野杁選手がチャンピオンだから戦わないといけないと思うし、大きな舞台で戦うことで色んな感動を届けられると思います。なので3月の『K’FESTA.1』でお願いしますという感じです」