6月の第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントでは一回戦で惜しくもジョーダン・ピケオーに敗れた日菜太。再起戦となった9月のK-1さいたま大会ではスペインのセルジオ・サンチェスに勝利し、今大会で現王者チンギス・アラゾフへの挑戦権をかけた次期挑戦者決定戦を迎えた。

「試合まで一カ月ということで、これから本当の追い込みをやっていこうと思います」という日菜太は「6月・9月に外国人選手と戦ってフィジカルを鍛え直さないといけないという課題が見えた」とフィジカル強化に着手。「スタミナやスピードは自分の長所ですが、単純な押し合いでも外国人選手に負けたくないので、今はテクニック+押し負けない力が欲しいと思ってトレーニングしています。そうしないと僕が先に見据えている相手（チンギス・アラゾフ）には通用しないし、その意味でも廣野戦は力を試すいい場なんじゃないかなと思います」とアラゾフ戦を見据えてトレーニングを続けている。

　フィジカル強化はジムワークでも成果が表れており、日菜太は「一発一発のパワーがついたと思います。特にそれを感じるのはパンチで、パンチに力が乗る感じがしています。僕は格闘技を始めて13年ですが、パンチに力を乗せる感覚が段々と分かってきました」と攻撃力アップに手応えを感じている。

　その日菜太が公開練習で見せたのが左右のミドルキックの連打。日菜太は左ミドル10連打・右ミドル10連打から始まり、左・右ミドルの交互の連打、左右それぞれ20連打・強く10連打など、蹴るパターンと回数を変えながら合計120発の蹴りを繰り出し「一番蹴れた時に比べたら蹴る数は減ったけど、一発一発のダメージを与えられるようになった。蹴りまくる日菜太を見たいと言ってくれる人もいるので、どうやってやってやろうかなと考えてます」と力強く語った。

　対戦相手の廣野とは約3年前に3分5R制のルールで対戦し、判定2-1で勝利を収めている。「廣野選手は相手の良さを消して前に出て、泥仕合に引き込むスタイルで、やりづらさはナンバーワンだと思います。廣野選手相手にいい試合をするのは難しい」と楽な相手ではないとする一方「K-1のメインを任された以上、面白い試合をしないといけない。ただ勝つだけではお客さんも納得しないけど、廣野選手はただ勝つだけの試合をやってくる選手だから難しいハードルです。でもその一歩先を超えないといけなければ倒せないと思うし、誰もまともにKOしていない廣野選手を倒します」と“不倒王”の異名を持つ廣野をKOすることにこだわっている。

　それもすべては打倒アラゾフのためだ。日菜太はスーパー・ウェルター級の現状を「僕が負けたら終わる」と話し「確かにアラゾフは強いけどまだ完全無欠感はない。俺とやっていないから分からない」と打倒アラゾフ、そしてK-1での王座奪取に闘志を燃やした。

「確かにアラゾフは強いけど、まだ完全無欠感はない。上手くてパワーもあるけど、K-1で試合をしたのは6月のトーナメント一回だけ・三試合しかやっていません。俺ともやっていないから（試合をしてみないと勝ち負けは）分からないと思います。だからこそ12月の試合は『（アラゾフへの挑戦が予定されている）3月のK'FESTA.1を見に行こう！』という試合をできないといけないし、それが今回の課題です。

　僕は1年前、REBELSの後楽園大会でメインイベントをやっていました。この1年でK-1に出るようになって、K-1のメインイベントをやることに感慨深いものがあります。快く僕を送り出してくれたREBELSに恩返ししたいし、僕がK-1でベルトを獲ってREBELSで（肘打ちなしのルールで）活躍している選手たちをK-1に送り込めるように結果を出したい。

（スーパー・ウェルター級は）僕が負けたら終わると思うし、僕が通用しなかったらやる必要がない階級になってしまう。若い選手たちに70kgという階級を目指してもらえるように、俺がやるしかない思っています。僕はこの1年でK-1ファイターになれたかと言われら、まだK-1ファイターになりきれないと思います。だから次の試合で倒して勝って“K-1の日菜太”になって、3月に“K-1チャンピオンの日菜太”になります」

　日菜太は宣言通りに廣野を倒し、王者アラゾフの待つ“新生K-1史上最大のビッグマッチ”「K'FESTA.1」（ケイズ・フェスタ・ワン）に辿り着くことが出来るか？