6月のK-1さいたま大会ではK-1デビュー戦にして上原誠から勝利を収めたMMAファイター（総合格闘家）の加藤。9月に行われた初代クルーザー級王座決定トーナメントの出場選手として名前が挙がっていたものの、加藤が契約しているアメリカの総合格闘技団体「ベラトール」との試合スケジュールの兼ね合いで出場が見送られた。今回はベラトールとの調整もつき、2度目のK-1参戦でRUIとの対戦が決まった。

「試合が決まって準備期間が短かったですが問題なく身体を作ってきた」という加藤は重量級らしいパワフルなミット打ちを公開。「初めてK-1ルールで試合をやってみてリング、床の硬さ、グローブの重さ…いろいろと調整が必要だった。試合映像を見直して、もうちょっと自分から攻められたかなと思ったけど、クルーザー級で一番強いと言われていた上原選手に勝ったという意味では悪くなかったと思う。総合とK-1は距離感やリズムも違うし、もう少しペースを上げた方が良いと感じた」と上原戦の経験を活かした調整を続けている。

　9月のトーナメントについては「日本人選手が思った以上に頑張ったと思う。そして予想外の外国人選手（シナ・カリミアン）が優勝したな、と。（カリミアンは）準決勝で目を負傷して、決勝では右目しか見えない状態で戦って戦っていたので心が強いと思いました。純粋に見ていて面白いトーナメントでしたね」と加藤。「もし自分が出ていたらどうなっていたと思う？」という質問には「トーナメントに出ていない選手はみんな同じで『自分が出ていたら勝っていた』と言うでしょう（笑）。自分も外から見ていてそう思った」とする一方「試合は実際にやってみないと分からないですよ」と話す。

　加藤が対戦するRUIは初代王座決定トーナメント・リザーブファイトで古田太一にKO勝利を収めている。193�pの長身を活かした攻撃を得意とするファイターで、加藤も「自分の長所を分かって戦っている」とRUIを分析する。しかし加藤もベラトールで190�p以上の選手たちと何度も対戦しており、長身選手の攻略には自信ありだ。

「ベラトールでは自分が一番小さくて、直近3試合で戦った相手は196�p、191�p、192�p。だから長身の選手と戦うことには慣れています。1年前から打撃の練習でミットを持ってもらっているMEIBUKAIの丹山会長も190�p以上あるので、普段の練習とあまり変わらない。背が大きくて的が大きい分、狙いやすいところもあるので、空いているところを狙って倒したい」

　またRUIが自らのインタビューで「上原選手と加藤選手の試合は面白くなかった」と発言していたことについて聞かれると、加藤は「ムカつきました」と怒りを露わ。「そんなに面白い試合をしたいなら、打ち合いに来て欲しい。今回のポスターに“この日本人対決、規格外”と書かれているけど、規格外なのは僕だけ。打ち合って打ち勝ってKOしてやる」と完全決着を予告した。

　加藤がRUI戦の先に見据えるものはカリミアンが保持する初代クルーザー級のベルトだ。「日本人でチャンピオンと戦える僕くらいしかいない。今回しっかりKO勝ちしてチャンピオンを狙いたい」とRUIをカリミアン戦への踏み台にするつもりだ。