今年4月にKrushライト級（当時の表記は-63kg）王座を失い、今回から本格的にスーパー・ライト級に階級をアップする佐々木。試合まで2週間を切り「特に気になるところはないなって感じで、仕上がりはいつもと変わらずですね」と普段通りの調整を続け、公開練習ではコンパクトなパンチのコンビネーションを繰り出していった。

　佐々木は階級アップと時期を同じくして「最近は試合前だからと言って練習量を増やすのではなく、いつでも試合できるように常に練習を続けてコンディションを整えるようにしている」と新たな調整方法に着手。試合後にオフの期間を設けることなく、体重の増減も最小限に抑えて「減量の幅が大きいと身体のダメージが大きい。今はなるべく身体に負担がかからないように意識」することで「日常生活でも疲れを感じなくなった」という。

　トーナメント一回戦ではニュージーランドのサム・ヒルと対戦。ムエタイルールを主に活躍するヒルだが、佐々木は「僕も最初に試合映像を見た時はムエタイスタイルだなと思ったんですが、他の試合を見てみるとガードが固くてパンチが多い印象でした。身体も大きくて隙を作らずに淡々とじわじわ攻めてくるタイプ」と決してムエタイに特化したスタイルではないと分析。そのうえで「不得意としている選手ではないし、苦手じゃない」とサム・ヒル攻略に自信を持っている。

　今回は一日3試合のワンデートーナメントで、ベルトを巻くためには3試合を勝たなければいけない。しかし佐々木は「トーナメントだからこうしようというのはなくて、一回戦を勝たないことには次はない。他の選手のことは頭の隅には入れてますけど、サム・ヒル選手の映像しか見てないし、一回戦に全力を注いでいます」と一回戦に集中。K-1のベルトを巻くという目標はあるものの「ベルトは試合をして勝った一つの形として残るもの。結果的に欲しいベルトを巻くことができたらいいかなと思っています」と必要以上の欲はない。

「気負いすぎない方が視野も広く戦える。まず一回戦を勝つことに集中して、準決勝以降のことは大会当日にに考える。そこ（一回戦を勝って）からは試合を楽しもうと思います。当日は一回戦からプロとしてしっかりお客さんを楽しませる試合をやって、一回戦からファンがつくような試合をします」と自然体でトーナメント制覇に臨む。