今大会では3試合のスーパー・ファイトが組まれているが、6選手とも前日計量・会見で激しく火花を散らした。最初に火をつけたのはヘビー級で対戦する上原誠とイブラヒム・エル・ボウニだ。

　2人は計量後の写真撮影でフェイス・トゥ・フェイスの睨み合いを見せると、そのまま額をつけあって乱闘騒ぎに発展。周囲のスタッフが両者を引き離して、なんとかその場を収集した。そして計量後、会見で再び顔を合わせると、ここでも睨み合いから乱闘騒ぎを起こし、物々しい雰囲気のまま会見が始まった。

　会見でも両者は激しい舌戦。ボウニが「コンディションは最高潮。明日はスぺクタルな試合で上原をKOしてやるよ」と言えば、上原も俺もKOしたいと思っています。最初は2RでKOしようと思っていたけど1Rで倒します。1R、OK？」と挑発。

　これを聞いたボウニが「それができるのはお前の夢の中だけだろ？ 明日の試合が終われば、お前は二度と俺のことを忘れられなくなる」と不敵な笑みを浮かべると、上原は「映像での印象はでかいなと思ったんですけど、直接見たら思ったよりでかくなかったです。こいつの器の問題なのかオーラがないのか分からないですけど。明日リングの上でしっかり倒してやろうと思います」と一刀両断。さらに「小さいやつがでかいやつを倒せば盛り上がると思うし、それを日本のファンも見たいと思うので、こいつをぶっ倒します」とファンにKO勝利を誓った。

　続いてボウニと同じくメルビン・マヌーフの推薦選手としてK-1初参戦を果たすユネス・スマイリも野杁正明と睨み合いを展開し「試合に向けての準備は万端だ。早く明日を迎えて試合を終わらせたいよ」と血気盛んに語る。

　受けて立った野杁は「僕もコンディションはいいです。コンディションがいいもの同士、試合をして戦うので楽しみにしていてください」とクールに話す一方、「昨日の公開練習で『野杁はヒザ蹴りだけだ』みたいなことを言っていたので、倒す技を色々と用意してきたんですけど、どれだけ僕のヒザ蹴りが怖いか分からせるためにヒザ蹴りで倒してやろうと思います。1Rで倒すとファンや応援してくれる人に早いと言われるので2Rで倒す」とあえてのヒザ蹴り葬を予告。

　これを聞いたスマイリも「野杁は良い選手だと思うけど、俺の方が完璧な選手だから勝つのは俺だよ。俺は常にKOを狙うスタイルだから、明日も俺がKOする」と譲らなかった。

　そして注目の日本人対決＝松倉信太郎VS日菜太も互いに目を離さない視殺戦を繰り広げた。新生K-1初参戦となる日菜太は「K-1ファンのみなさんは“はじめまして”の方も多いと思います。素晴らしい試合がラインナップされている大会に僕の試合が組み込まれて『日菜太がここにいる！』という試合を見せたいと思います」と挨拶。

　試合に向けた準備について聞かれると「しっかり準備をやってきたし、インタビューや会見でも言いたいことを言ったので、あとは試合でしっかり見せなす。試合後に色んなことを言えるように頑張りたいと思います。（試合に向けて）今日はとにかくゆっくり休んで、明日はすげえいいパフォーマンスをして、本戦12試合ある中で、また日菜太を次の大会でも見たいという試合をします。今の僕はKOできる技が増えているんで、何かインパクトあることをします」と好勝負を誓った。

　一方の松倉は「計量をパスして、あとは明日やるだけです。試合を待ちきれないというか、早く試合をやりたいです」。対戦カード決定以降、日菜太に対してライバル心をむき出しにしてきたが、この日も覚悟のほどを口にした。

「練習はいつも気合いが入っているし、試合は試合でいつも通りです。よく選手は『覚悟を持って戦う』や『やるかやられるかの試合をする』と言っていて、自分もそう言ってきました。でもそれは人が言っているのを真似していただけで、本当の覚悟の意味が分かっていなかったと思います。

　今、自分がそれを分かっているかどうかは分かりません。でも試合への気持ちや今の心境はいつもと違います。それが試合でどうなるか分からないけど、いつもと違う自分が見せられると思います。明日は9分間、最初から全力で倒しに行って、とにかく思いっきり殴ってやろうと思います」

　記者会見でトーナメントとタイトルマッチ以上にバチバチの空気を漂わせたスーパーファイトの選手たち。激戦必至だ！！