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[ニュース]2017.11.6
-55kg王者・寺戸伸近、久保賢司との大激闘を振り返る「大声援が僕の背中を押してくれた。今は久保選手と試合ができたことをうれしく思う」宮田プロデューサーが久保の今後についても言及
    
 11月6日(月)東京・新宿区にあるGSPメディアセンターにて「Krush.82」の一夜明け会見が行われた。
 昨日のメインイベントで久保賢司の挑戦を退けて、2度目の王座防衛に成功した-55kg王者・寺戸伸近。試合前から舌戦を繰り返し、延長ラウンドまで及んだ大激闘の末の勝利で「本当に厳しい戦いでした。こうしてベルトを持って一夜明け会見の場に来れたことをうれしく思います」と安堵の表情で試合を振り返った。

「久保選手がパンチで来るという部分は技術・戦術的には想定内でした。試合中は俺にどうしても勝ちたいという気持ちを感じました。(ローで蹴り合う場面もあったが)あれは自分のペースだったと思います。ああなると相手が焦るので、自分の展開だったと思います。ただ3Rにアッパーかフックかいいパンチをもらっちゃって、そこからどんどんもらって、自分でも『これはやばい。このままパンチをもらい続けたら倒れる』という気持ちがありました。その中であれだけの大声援があって、あの声が僕の背中を押してくれて何とか踏ん張れました。

 本戦の判定を聞いている時は、3Rの印象が強くて1・2Rのことは考えてなかったので、正直やばいかなと思ったので『ドローになってくれ!』という気持ちでしたね。(延長はローでいく作戦?)ああいう展開は考えてなかったですけど、ローが効いたのが分かったので、それでいきました。相手もローが効いてパンチに力はなかったのですが、それでも前に出てきたので、どうしても(久保は)俺を超えたいんだなと思いました。今回は本当にプレッシャーがあったので、試合直後は勝ってよかったなという気持ちになりました。

(試合前に生まれた第一子について)いつも会うわけじゃないし、たまにしか合わないし、抱っこも出来ないし、試合前は何もできませんでした。なので今回は親として強い父ちゃんを見せたかったですね。ベルトを防衛して心に余裕ができると思うので穏やかに接せられると思うし、娘との時間を楽しみたいと思います。

(試合が終わって久保に思うことは?)試合を盛り上げる意味では貢献してくれたと思うし、彼がいなかったらあれだけの大声援も起きなかったと思います。彼がいたからこそああいう試合が出来て、僕はスポーツマンとして相手に敬意を表しますし、彼と試合ができたこともうれしく思います」

 試合後のマイクアピール、そしてバックステージでのインタビューでも「次はK-1のベルトが欲しい」と話していた寺戸は「K-1の王座決定トーナメントには2回出ていますけど、どちらも途中で負けています。やるからにはK-1のベルトが欲しい」と一夜明け会見でもK-1王座への挑戦をアピール。

 同席した宮田充K-1プロデューサーも「第2代K-1スーパー・バンタム王座決定トーナメントで準優勝の久保くんと3位の寺戸くんの一騎打ちだったので、当然そこ(ベルト)につながると思います。しかもただの試合ではなく、あれだけお客さんを熱狂させて勝った寺戸くんの主張なので、そこに進んでいくのが自然の流れかなと思います」と寺戸の主張に前向きな言葉を残した。

“不屈の激闘王”の名に相応しい戦いぶりでKrush-55kg王座を死守した寺戸。今後の展開・動向に注目だ!

 なお宮田プロデューサーは、試合後のインタビュースペースで「今回は自分の最終章として戦った。選手としての久保賢司はここで終わりです」と語っていた久保についても言及。

「ファイターの美意識や生き様が引退には集約される。久保くんが(引退を)決めたのなら、そうするのがいいと思います」と久保の意思を尊重したいとする一方「プロモーターとしては、一度落ち着いたところで本人と話をしたい。そのうえで久保くんがどうするかを決めて、本人から報告するなり、我々から正式に発表したいと思います」としている。宮田プロデューサーのコメントは以下の通り。

「試合後に久保くんと通路で会話して、彼からそんな風なことを聞きました。その時は試合直後だったので『おつかれさま』ということを伝えて、あとでインタビュースペースでそういったコメントが出たことを知りました。

 今、彼自身がK-1ジム五反田の代表を務めているので、試合については彼と直接話す形になっています。引退は選手が決めるものだと思っていて、その選手の美意識や生き様が引退には集約されると思っています。久保くんが(引退を)決めたなら、そうするのがいいと思うんですけど…あれだけの勝負を見せてくれて、4月のK-1と昨日の試合を見て久保くんを知った人もいるだろうし、ずっと応援してくれている人もいると思います。プロモーターとしては久保くんが落ち着いたところで話をしたいです。

 試合を終えてのコメントはありましたけど、彼はまだ28歳です。ジムの代表という立場もあるでしょうし、(選手として)ピリオドを打ちたいのか。そうなったら本人が報告するなり、我々から正式に発表したいと思います。とにかく今は本人と話してみたいと思います」
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