3月の「K'FESTA.2」では日本vs世界・7対7のトップバッターを志願し、サンドロ・マーティンから見事な1RKO勝利を収めた武居。公開練習では珍しく蹴り主体のミット打ちを行ったが「ミット打ちの内容は（古川誠一）会長の気分次第です（笑）。けっこう追い込んでいて疲れも溜まっていて、練習がきつ過ぎて体重も落ち始めてるんですけど、コンディションはバッチリで早く試合の日が来ないのかなって感じです」と追い込み期の疲労はあるものの仕上がりは万全だ。

　今回も武居は前回の試合前と同じくタイ修行を敢行。前回は「タイ修行よりPOWER OF DREAMの練習の方がきつかった」と語っていたが「今回も全然日本の方がきつくて、タイに居て日本に帰ってくるのが怖いぐらいでした。日本に帰ってきて1日2日経ったら…タイに帰りたくなりました（笑）」とタイ修行が逆に息抜きになったという仰天のエピソードを明かした。

　武居がK-1王者になった2017年4月の第2代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントでは、古川会長が全選手の研究・対策を練り、それが優勝につながった。武居は「今回も一通り全選手見てくれて、一番は一回戦のリーバス選手。あとは日本人選手もしっかり見てもらってますね」と会長の研究に全幅の信頼を置き「僕は完全に一回戦のリーバス選手に集中しています。まだ若い選手なので、前回の11月のK-1の時よりもかなり成長していると思う」と一回戦のリーバス戦に集中している。

「リーバスとの試合は激闘になる予感があるか？」と問われると「もちろんやってみなきゃ分からないですけど、激闘にはしないように圧勝したいと思います。それは全試合含めて、自分が一発ももらわないぐらいに圧倒的に勝つ気持ちでいます」と圧勝でのトーナメント優勝を宣言。続けて「あんまり自分は激闘はしたくないんで（笑）。見てる人にとって激闘の方が面白いのは分かるし、自分も激闘の試合を見るのは好きなんですけど、自分はやっぱり試合を完全にコントロールして、それで倒すというのが目標ですね」と、自分の理想とするファイトスタイルを語った。

　他の日本人選手達が揃って武居と戦いと口にしていることについても「まあ頑張りましょうって感じですね。自分がチャンピオンなんでそういう存在でいなきゃいけない、どんどん僕を目標にしてもらわないと盛り上がらないと思うので。でもやってみて『やっぱ武居には敵わない』って思わせたいです。みんな若いのでまだまだ成長することは分かりますけど、今の段階ではまだ僕には届かないとずっと思っています。追われる立場というのは意識してますけど、振り切ってやろうと思ってます」と笑みを見せながらも王者と強い矜持を感じさせる。
　
　武尊の両国大会欠場が発表された際、武居は「トーナメントの3試合で武尊選手の1試合を超える気持ちでいる」とK-1を背負う覚悟を語った。改めてそのことについて「やっぱり武尊選手みたいにK-1を背負えるようになりたい。このタイミングで武尊選手が長期欠場になったことも自分が試されてるなって思います。今回もたくさんの選手が出ますけど、やっぱ終わってみれば自分が主役だったとみんなに言ってもらえるようにならないといけないなと思ってます」と、両国大会で“K-1の主役”になると決意を滲ませる。

　スーパー・バンタム級王者としてこのトーナメントを制すれば、王者として全てを成し遂げたと言っても過言ではない。武居は「そう遠くない先には階級を上げることも考えてはいます。ただ江川優生がいるんでアイツも上げてくれないとって感じです（笑）。江川にK-1のベルトを獲ってもらって同時に上げるのが理想ですね」と、階級変更も視野に入れつつ、後輩のKRUSHフェザー王者・江川優生に発破をかける。

　前回の試合では会長の指示通りに1RKOを達成したものの、会長の採点は武居曰く40点。実はこの数字は古川会長にとっては高得点らしく「多分100点はどんなことがあっても出ないと思うし、前回が40点だったので今回は60点を目指したいですね」と今回は更なる高得点を狙う。最後に「試合まであと少しですけど、まだまだしっかり追い込んで完璧な状態に仕上げます。両国まで僕の3試合、ぜひ見に来てください」とファンにメッセージを送った武居。宣言通りに圧倒的な強さを見せてトーナメントを制し、絶対王者として“K-1の主役”になれるか？