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[ニュース]2020.2.10
「Krush.111」2.24(月・休)後楽園 スーパー・ライト王者 鈴木勇人、進化したファイトスタイルで挑戦者・佐々木大蔵を圧倒する!「この試合の結果でこれからの格闘技人生が変わる。自分は逆境で力を発揮するタイプなので、自分でも試合が楽しみです」
    
 2月10日(月)東京・K-1ジム五反田にて、2月24日(月・休)東京・後楽園ホールで開催される「Krush.111」の[Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で挑戦者・佐々木大蔵と対戦する王者・鈴木勇人が公開練習を行った。
 昨年11月K-1横浜大会のスーパーファイトで佐々木に敗れている鈴木。今回はKrush王者として、佐々木の挑戦を受ける形でのリベンジマッチに臨む。公開練習のミット打ちで鈴木は右ジャブ・前蹴りなど間合いを計る動きを随所に見せながら、得意の左ミドルを蹴り込み快音を響かせた。

 今回のタイトルマッチは鈴木自らが志願した一戦で「前回負けてから色々と幅を広げた練習をしてきた。その成果も最近やっと見えてきて、調子も良い感じです」と佐々木へのリベンジへ向けて手応えも掴みつつある。前回の敗戦で自分の“ぬるさ”を感じたと語っていた鈴木は、佐々木とのリマッチに向けてどんなトレーニングに取り組んでいるのか?

「今までは極端に言っちゃえば左ミドルしか練習してなかったんです。自分の好きなことだけ、得意なことだけを練習して、それだけで実際勝って来ちゃったので、好きな練習・得意な練習しかしてなかったんです。でもそれでは上のレベルでは戦っていけない。自分の苦手な部分を伸ばしたりとか、幅を増やすための練習をしているところです。

 もちろん自分の良さは残すし、僕の武器は変わらず左ミドルです。その良さを残しつつ、苦手なところをなくしていく。自分の苦手な展開でもしっかり戦えるような練習をしています。その成果がすぐに(出る)…というほど簡単には行かないですけど、ちょっとずつ身についてきました。その成果が見えてるので、次の試合は前回のようには行かないと思います」

 鈴木の師匠にあたる久保優太は「動画を見ることが練習」と常日頃から発言しているが、鈴木はこれまであまり対戦相手の映像を見ることもなく、研究や対策もすべてトレーナー陣に任せていた。しかし今は「めっちゃ動画を見てます」と実践以外の練習にも力を入れている。

「今まで自分の試合もそんなに動画を見るほうじゃなかったんですけど、前回負けた試合はめちゃくちゃ見てます。今までは正直試合映像を見ても、何をどうすればいいのか分からなくて、自分の良かったシーンしか見ていませんでした。でもそれでは駄目だなと思って、細かいとこまで見るようにしたんです。そしたらやっと自分が実際に試合で戦っているような感覚で動画を見られるようになりました。この時こうすればいい、この時こうすればよかったというのが何となく分かるようになってきたと思います。

 そういう意味では動画を見て、今はめちゃくちゃ勉強になってますし、自分の動画もそうですけど、他の強いサウスポーの選手とかも色々見てめちゃくちゃ勉強してますね。今まで優太さんが言っていることは次元が違い過ぎてあんまり伝わってこないところがあったんですけど、最近は優太さんの言葉を聞いて『そういうことなんだ!』と分かったり、細かいところが何となく分かるようになってきました。そういう意味で自分も成長してるのかなって感じですね」

 課題を克服するトレーニングと様々な研究・変化を求めて新たなことに取り組んでいる鈴木だが「左ミドルをとったら自分は戦っていくのが難しい」と、あくまで自分の武器=左ミドルを中心とした左の蹴りという信念は変わらない。「最近は(同じサウスポーの)ジョルジオ・ペトロシアンの動画も見たりして、細かいところも色々勉強してます。どんなファイトスタイルが理想? ゆくゆくはコンプリートファイターじゃないですけど、そういう職人的なところを目指していきたい」と理想とするファイトスタイルの輪郭も見えてきた。

 前回の対戦で鈴木は佐々木から相手の間合いや呼吸を読み、試合をコントロールする“上手さ”を感じた。今は佐々木から感じた“上手さ”を養う練習も続けている。

「佐々木選手と戦って学んだことはあります。一般の人は試合を見ても『佐々木選手の強さが分からない』という人がけっこういると思うんですけど、自分は実際に佐々木選手と戦ってみて佐々木選手の強さを肌で感じました。それこそ呼吸とか距離感とか微妙なことなんですけど、そういうところがすごく上手くてやりづらかったです。本当に今までの選手とは違って凄く勉強になったし、逆に自分もそのステージに行ってやろうと思って、呼吸だったり距離感だったり、身体の重心だったり細かいところまで考えながらやっています。だから前回の試合は負けましたけど、無駄ではなかったのかなと思ってます」

 また「ちょっと佐々木選手をナメていたところがあって、それも敗因だと思っています」と自身のメンタル面の甘さにも敗因があったと振り返る鈴木。「今回は自分を見つめ直して初心に戻るじゃないですけど、基本的や基礎的なことも大事にしています」と基礎的な部分も見つめ直した。鈴木が佐々木にリベンジするためのキーポイント、それはやはり鈴木の最大の武器である左ミドルだ。

「僕の主軸は変わらず左ミドルです。結局前回の試合は左ミドルが当たらなかったわけじゃないですか。じゃあ何で当たらなかったかと言ったら、左ミドルしかなかったから。左ミドル以外の攻撃のバリエーションを増やすことによって、左ミドルが当たるシチュエーションもかなり増えると思うんですよ。そういう意味で戦いの幅を広げて、なおかつ自分の武器を活かす戦い方をするのが理想ですね。

 今回は左ミドルを空振りしたくないです(苦笑)。今回のテーマを本当にそこですよ。全部左ミドルを当てたいんで、そのためにはただ蹴るだけじゃ当たらない。今はそこをめちゃくちゃ考えてやってます。詳しくは言えないですけど、当日楽しみにしててほしいですね。これで当たらなかったら、もう自分が弱いだけです」

 改めて鈴木は「際どく勝っても、見てる人も自分自身も納得しないと思います。『前回の鈴木は何だったの?』『前回は風邪でも引いてたんじゃないの?』って思われるぐらいに圧倒的に勝ちたいです。とにかく左ミドルをバシバシ当てていきたいですね」と佐々木を圧倒すると宣言。 

 もし敗れるようなことになればベルト、そしてファイターとしての未来も失うような正念場の一戦だが、鈴木は「こういうシチュエーションは燃えますね。本当に背水の陣じゃないですけど、ここで負けたらベルトもなくなるし、トップ戦線に食い込むところからも脱落する。ここで勝つと負けるでは、これからの格闘技人生も変わってくる。今回は絶対に落とせないと思ってます。でも自分は今までこういう局面を乗り越えてきたし、逆境であればあるほど、プレッシャーがあるほど力を強く発揮するタイプだと思っています。だから自分でも次の試合は楽しみです」と自らの“逆境力”に自信を見せ、リベンジに向けて闘志を燃やした。

 敗戦を糧に王者・鈴木が進化を遂げた姿を見せ、難攻不落の挑戦者・佐々木にリベンジを果たすことが出来るか?
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