3月の-65kg日本代表決定トーナメントでは準決勝で野杁正明に敗れたものの、会場を大爆発させる激闘を演じたHIROYA。その戦いぶりが評価され、主催者推薦で世界最強決定トーナメントへの出場が決まり、1回戦で現王者ゲーオと対戦するビッグチャンスが舞い込んできた。

　試合まで残り約2週間、追い込みのピークで疲労がたまる選手も多い中、HIROYAは「いつも通りに追い込んでいて、いつもに比べて練習量も多いんですけど、疲れが残っている感じは少ないです。今までだったら、試合前のこの時期は毎日毎日憂鬱な感じなんですけど、今回はそれがない。コンディションも気持ちも充実しています」と表情は明るい。

　日本代表決定トーナメントを「楽しんで戦うことが出来て、やっと自分の力を出せるようになった」と振り返るHIROYAは「今もこれをやらなくちゃいけないと思って練習するのではなくて、自分でここを整理してやっていきたいと思って練習できています。今は無理矢理じゃなくて、自分がやりたくて練習しているので、それで調子がいいんだと思います」と自己分析。

「最近の試合でどうすれば一番調子がいい状態に持って行けるかが分かって、今回もしっかりとそこに持って行けている感覚があります」と今回も最高の状態に仕上がっている。

　公開練習でHIROYAは大雅とマススパーリング、ノッパデーソン（ノップ）トレーナーとのミット打ちを3分1Rずつ公開。ゲーオと同じサウスポーの大雅に対して右ミドル・ローを積極的に蹴り、ノップトレーナーとのミット打ちでもパンチから右の蹴りにつなげるコンビネーションを見せるなど、ゲーオ対策も万全だ。

「ノップと一緒に対策を練っていて、対人練習でも色んな相手と練習をやっています。僕の場合は近くに大雅がいて、ゲーオと同じサウスポーだし、体格もゲーオと似ている。『こういう風に動いて』とゲーオの真似をしてもらって、いい練習ができています。

　過去のゲーオの試合を見ていると、みんなゲーオの空気に飲み込まれてしまっているように思います。逆にゲーオが苦戦した試合を観ていると、みんな強いパンチや蹴りでゲーオの動きを気にせずに突っ込んでいる。それを踏まえてゲーオ対策を練っていて、今の自分が勝てなかったら、いつ勝てるんだろう？と思うくらい肉体的にも精神的にもベストの状態です」

　とはいえHIROYAにとってゲーオが強敵であることには違いない。「僕も強い選手たちとはたくさん戦ってきたけど実績・実領では一番」とゲーオをキャリア最大の敵だと捉え「もちろん世界トーナメントを優勝したいですが、今はゲーオに勝ちたいという気持ちの方が大きい。準決勝で野杁（正明）君と戦いたいという気持ちもありますが、それはゲーオを超えて初めて考えればいいことで、今はゲーオを超えることしか見えていません」とゲーオ戦にすべての力をぶつけるつもりだ。

「僕がゲーオに勝つと思っている人は少ないと思うけど、僕はこの試合を楽しみにしています。今の僕は心身ともに現役中で一番の状態だと思うし、そのHIROYAをリングの中で見せて、何かが起こることを期待してほしいです」。過去最強のHIROYAが奇跡を起こす！