公開練習後の囲み取材では、開口一番「こんなにたくさんの人が来てくれると思わなかったし、7月の時も一般公開形式だったのですが、見に来てくれる人たちが倍くらいに増えてうれしかったです」と笑顔を見せた武尊。「マススパーはもっと軽くやる予定だったんですけど、これだけの人が来てくれたので、刺激があるものを見せたくてちょっと強めにやりました」とスパーリング中もファンの熱気を感じていたという。

　今回の防衛戦は7・4代々木大会でのハキム・ハメッシュ戦以来、約4カ月半ぶりの実戦となる。しかし武尊は9・22後楽園大会でのエキシビジョンマッチのために通常の試合と同じ追い込み練習を行い「11月に向けて追い込み練習を2回やっている感じなので、仕上がりはいつも以上にいい」と好調を維持。「いつもの試合だったらダメージもあるので、すぐに練習を再開出来ないのですが、9月はエキシビジョンだったのでダメージもなく、すぐに追い込み練習をスタート出来ました。身体も仕上がってきているので、あとは体重調整をして仕上げていくだけです」と手応えを感じている。

　初防衛戦の相手となるボンジョバーニは挑戦者決定戦で強豪ダニエル・ウィリアムスを完全KO。サウスポーながら左・右どちらでも倒せる拳を持つハードパンチャーで、武尊危うしの声も少なくない。

　武尊はそんな下馬評を耳にして「チャールズ選手が壮絶なKOで勝ち上がってきたんで『武尊、危ないんじゃないの?』という声をちらほら聞くんですけど、それがムカついたんで逆にぶっ倒してやろうと思っています」と闘志を燃やし「チャールズ選手もそうだけど、僕も同じで右でも左でもどちらでも倒せるパンチがある。パンチが当たった方が倒れる、客観的に見てもKOで終わると思います」とボンジョバーニとの打ち合いは望むところだ。

　さらに「真剣の切り合いのような試合。僕のパンチにはT-BOMB（ティーボム）という名前があるんですけど、まさに爆弾の投げ合いのような試合になるでしょうね。超刺激的な試合になると思います」と一発で勝負が決する試合になると予告した。

　今大会はK-1史上初4階級（-55kg、-60kg、-65kg、-70kg）でタイトルマッチが行われるが、武尊は-55kg王者として他の階級に主役の座を譲るつもりはない。最軽量級王者の武尊は階級の概念を覆すKOで王座を防衛すると集まったファンに約束した。

「ずっと軽量級はKOが少なくて盛り上がらないと言われてきて、K-1にも軽量級はなかった。僕はそれが屈辱でしかなくて、ヘビー級やデカい選手ばかりが注目されているのが悔しかった。僕は-55kgを一番激しくて、一番KOの多い階級にしたいので、最軽量の僕がKOで終わる試合をお見せします」

　写真撮影後にはファンの声に応えてバク宙を見せた武尊。11月21日も宣言通りのKOで勝利のバク宙を見せることが出来るか?