――出貝選手にとって2016年は思うような結果を残せなかった1年だったと思います（※2戦2敗）。今はどんなことを意識して練習しているのですか？

「昨年は2年前の交通事故の怪我の影響で上半期を潰してしまって…。そこからは怪我をおして試合をしていました。自分で身体は大丈夫と思って試合をしていたのですが、年末になってようやく怪我が良くなってきたんですよね。そうしている中で今までやっていた練習は少し違っていたなと思って、年末から練習内容を少し変えました。

　他にも昔の映像を見直して昔の感覚を養ったり…そういうことを続けていると、最近スパーリングをしていても、調子が良くなってきているという実感があります。そうやってそろそろ試合をしたいと思っていたところで、今回の次期挑戦者決定戦の試合が決まりました。それも対戦相手の軍司（泰斗）選手は、今勢いのある強い選手なので、いきなり強い選手と試合するというところはあるんですけど、ここで結果を出せばタイトルマッチに繋がっているので必ず勝ちたいですね」

――昨年の経験を経て、今はいい状態に仕上がっているんですね。

「去年やっていたことを全部ダメで終わらせてしまったら面白くないので、ダメだった所を修正して、去年の経験をさらに活かして、今年を良くしていきたいと思っています」

――階級を-55kgから-53kgに変更されたのも去年でしたが、それについてはいかがでしょうか？

「前回の試合が-53kgに階級を変更して初めての試合（10月に隆聖に判定負け）だったので、まだこの階級が自分に合っているかどうかは分からないです。ただ自分で減量をしていても動けなかったわけではないですし、試合当日のアップの時も動けなかったわけではない。むしろ-53kgはいいんじゃないのかな？と思ったくらいです。-53kgという階級を1回経験して、次が2試合目なので、体重・調整の部分でも良くなっていると思います」

――対戦相手の軍司泰斗選手はK-1甲子園の優勝者で、怖いもの知らずの勢いがある選手です。

「久しぶりに試合前から『KOする！』と熱くなっているような相手と戦うので、そういう若くて勢いがある選手と戦うのは楽しみですね」

――現時点で軍司選手に勝つイメージはできていますか？（※取材は対戦カード発表会見後）

「今はまだ試合の映像など見れていないので、深くは考えていないです。僕とは逆で今の軍司選手は調子がいいと思うし、人間ってそういう時は勢いよく来るんですよ。僕も今まで何回も良い時もあれば悪い時もあったので、ここで軍司選手をつまづかせることが出来たらいいなと思いますね」

――-53kgはチャンピオンの武居由樹選手や対戦相手の軍司選手など若い選手が多い階級です。その中で出貝選手は何を武器に戦っていきたいですか？

「今までの経験が間違いなく強みになると思います。あとは試合でも試合以外の部分でも、今までの人生で経験してきたことあると思うので、試合で精神的な強さを見せたいですね」

――勢いがあって一気にトップ戦線を狙っている若い選手たちに大人の厳しさを教えたいですか？

「大人の厳しさというと、おっさんが『若い奴には負けんぞ』みたいな感じですけど（笑）、今回は年齢も16歳差なんですよね。そういう相手と戦う時が来るなんて思ってなかったし、改めて自分もそんな年齢になったんだなと思いました。今の若い子たちはみんな強いので、オヤジ風な言い方にはなっちゃいますけど、若い奴には負けたくないというか、30代でもトップにいける人間が残れるんだというところを見せたいですよね」

――今回の試合に勝ってKrushのベルトを獲ることが当面の目標だと思いますが、今年はどんな1年にしたいですか？

「今回の挑戦者決定戦に勝って、次に武居というチャンピオンと戦うことが今年の目標です。タイトルマッチがいつになるか分からないですけど年内にはやると思うので、そこを今の目標にしています。そしてその目標をクリアして、もう1つ上の目標までいきたいなと思います」