大会まで3週間を切り「疲れもだいぶ溜まっているけど、いい感じで動けているので、上手く調整できていると思います」と現在のコンディション・体調について語った野杁。

　今回はゲーオとのタイトルマッチという大一番だが「タイトルマッチだから特別なメニューを増やしたということなく、いつも通りのメニューでやってきました」と普段と変わらない練習で自分を追い込み、決戦に備えている。

　その中で大きなプラスになっているのが小比類巻道場でボクシングトレーナーを務めるカレロ・エルナンデス・バロディアの存在だ。カレロトレーナーはキューバの元アマチュアボクシング王者で、ゲーオ戦が決まるタイミングで小比類巻道場のトレーナーとなり、野杁もパンチの指導を受けている。

　トレーニングをスタートした当初こそ「（リズムや呼吸が）合わなくて上手くいかなかった」という野杁だが「ずっとミットを持ってもらっているうちに、しっくりくるようになりました」。

　特に手応えを感じているのがコンビネーションや連打の部分で「今までの僕はパンチで倒そうと思ったら一発一発を強くスタイルでした。でも今は連打を意識するようになって、連打で相手を翻弄できるようになりました。それは僕にとってプラスになっています」と続ける。

　公開練習でも野杁はカレロトレーナーの持つミットに軽快なパンチの連打・コンビネーションを叩き込み「はじめはパンチはパンチ、蹴りで蹴りで分かれていところもあったけど、今はそれがつながっているので、また進化した姿を見せられると思います」と語った。

　対戦相手のゲーオについて野杁は「研究して対策を練っても印象は変わらず、ゲーオはゲーオという感じです。向こうがどういう対策を練ってくるのか興味がある」とする一方「今の僕は負けるイメージが一つもない」と断言。夢でゲーオに勝ち続けているというエピソードを交えて、ゲーオ超えへの自信を口にした。

「今回、結構ゲーオ選手と試合をする夢を見るんですけど、夢の中では一回も負けていません。あとはそれをリングで実現するだけです。（どんな勝ち方が多い？）KOでも勝つし、判定でも勝っています。今、パンチにも自信がついてきたんで、パンチでKOするパターンもあるし、KOで勝てたら最高ですよね。僕はどんな展開になっても勝つビジョンがあるし、負けるイメージは一つもないです。

（今の自分だったらゲーオに勝つ自信がある？）その自信がなければ試合も受けないですし、負けると思って試合をする選手はいないはず。自信があるからこそ試合も受けたし、僕はゲーオ選手に勝つためだけに格闘技人生を過ごしてきたので、その集大成を見せたいですね。

　僕はいじめがきっかけで格闘技人生が始まって、K-1チャンピオンになるという目標を立てて、空手やキックボクシングをやってきました。ようやくそれが目の前に近づいてきたという感じです。でもベルトを獲ってからがスタートだと思うし、みなさんもゲーオ選手が負ける姿を見たいと思うので、僕がそれを実現させます」

　今年2月には娘の莉緒菜ちゃんも生まれ「娘が会場に来るのは今回が初めて。勝利の女神に見守ってもらって、ベルトを巻いて一緒に写真を撮りたいです」と野杁。

　最後も「トーナメント、タイトルマッチ、スーパーファイト…色んなカードがある中で、僕が一番輝く試合と盛り上がる試合を見せて、必ず世界一になります」と王座奪取を力強く宣言した。

　新時代の怪物・野杁がゲーオの最強伝説にピリオドを打つか！？