初代K-1フェザー級王者・武尊が初防衛戦を迎えた。挑戦者は“中国の武尊”の異名を持つワン・ジュングァン。前日のKrush後楽園大会で里見柚己に勝利したジュングァンが挑戦をアピールし、武尊もそれに応じる構えを見せていたが、一夜明けて早くもこの一戦が実現する流れとなった。

　会見でK-1宮田充プロデューサーは「昨日ジュングァン選手からアピールがあり、ライト級王者のウェイ・ルイ選手からも『（里見戦で）いい試合をしたら武尊選手の相手に相応しいと思う』という推薦があり、試合後に武尊選手が所属するK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTさんと調整して、急遽本日発表となりました」とカード発表までの経緯を説明。

「武尊選手は今年ビクトー・サラビア戦、ブバイサ・パスハエフ戦といずれも海外の相手にドラマチックなKO勝ちを収めています。今回はタイトルマッチであり、ジュングァン選手も2度目の日本での試合です。さらに強さに磨きをかけてくると思うので、ベルトをかけるにふさわしい一騎打ちになると思います」と今回のタイトルマッチに大きな期待を寄せた。

　会見には武尊とジュングァンが揃って出席。武尊はジュングァンへのリスペクトを口にしつつ「殴り合いが楽しみ」と語り、ジュングァンも「帰国したらすぐに練習を再開して100％の力でベルトを獲りに行く」と語った。

武尊
「昨日の試合を見て、久しぶりにこんなにアグレッシブで気持ちの強い選手を見たし、この人と殴り合ったらどれだけ楽しいんだろう？と思って見ていました。以前から僕とやりたいと言っていたのは知っていて、僕も昨日の試合を見て即決で『この相手と殴り合いたい』と思いました。

（相手が中国の武尊と呼ばれていることについて）いい意味で相手の攻撃を気にせずに自分の攻撃を当てるところが自分に似ていると思いました。あとあれだけスタミナがあって最後まで強い攻撃を出せる選手はなかなか見たことがないな、と。そこはちょっと衝撃的でした。

　最近は相手に挑発されることが多かったんで、挑発してこないジュングァン選手は調子が来るんですけど、リスペクトし合っている者同士で殴り合うのは刺激的なので楽しみです。

　昨日の対抗戦で日本勢が負け越したのは日本人として悔しいし、対抗戦の第1試合で勝利しているジュングァンに借りを返せばチャラだと思うので倒します。僕は毎年『全試合KO勝ち』と言っていて、まだ有言実行できてないんですけど、今年はここまで全部倒して勝っています。今年あと何試合やるか分からないですけど、全部倒す気でいきます………いや、全部倒します」

ワン・ジュングァン
「武尊選手は超一流のファイターで、中国にも名が届いている選手だ。そしてファイターとしてだけでなくスターだと思う。明日中国に帰ってすぐに特訓を始めるよ。

（武尊の印象は？）中国でもたくさん武尊選手の動画を見ている。武尊は攻撃力がすごくあって、スタミナもあってテンポも速くて、試合をコントロールできる。そしてバックブローは一撃で試合を終わらせる威力を秘めていると思う。

（中国の武尊と呼ばれていることについて）多くのファンがそう呼んでくれているけど、それは自分の前に出るファイトスタイルが武尊に似ているからだと思うし、パンチ力も似ているところがあると感じていいる。

　K-1は自分がプロになる前のアマチュアの頃から見ていた世界一流のイベントだ。自分にとっても夢のベルトなので是非自分のものにしたい。（昨日は城戸康裕と同じデザインのコスチュームだったが？＿）実は前回ユン・チーのセコンドで日本に来た時、日本でガウンとコスチュームを作りたくてショップに連れて行ってもらった。その時に見本で見たものの中に城戸のコスチュームがあって、それが一番かっこよかったので、城戸と同じものを作ってもらった。これはちゃんと城戸から承認してもらっているよ（笑）。

　自分のファイトスタイルだけじゃなくて色々なところで自分のことを日本のファンに印象付けたいと思っている」

　互いが認め合う日本vs中国のハードパンチャー対決、そしてK-1フェザー級タイトルマッチの行方はどうなる！？