「Krush.75」4.2後楽園で小宮由紀博に判定勝利し、第5代Krush-65kg王座に就いた中澤。今大会で初防衛戦を迎え、K-1ファイターの左右田泰臣の挑戦を受けることになった。この日は公開練習として2分1Rのミット打ちを披露し「試合前なので疲れている状態ですけど、精神力やメンタルはすごくいい状態に持っていけている気がします」。

　今回の試合では「どれだけ自分の可能性を信じることが出来るか？」をテーマに掲げ「試合が決まった頃は不安な時期もありましたけど、今は毎日勝てる方にマインドコントロールして過ごしている。試合がすごく楽しみです」と充実した日々を過ごしている。

　練習面においても同じ群馬出身でK-1・Krushで活躍した神戸翔太の指導を受けるようになり「僕はドカーン！と当ててガツン！と当てるタイプで、コツコツとパンチを当てるのが苦手だった。今そこの部分を神戸くんに教わって、すごく磨かれています。ボクシングジムに行ってもパンチが上手くなったと言われるし、自分の持ち味を生かしつつ、神戸式の戦い方を自分の中に入れて、お互いの間をとっていい戦い方が出来ると思います」と新たな技術・スタイルの習得にも余念がない。

　対戦相手の左右田については「強い選手かなと思うけど、自分を高めていくうちに考えが変わってきた」と中澤。「彼が強かったというのは、僕より先に有名だったから、シルバーウルフにいるから、先にK-1に出ていたから…だけです。そういう価値観は今までの経験やデータで決めてしまっているからで、今の僕はその価値観を取っ払っている。彼の試合を見ても強いとは思わないし、実際に戦えば強いだろうけど大きくも小さくも見ていない。ちょうどいい相手なんじゃないですかね」と冷静に分析している。そのうえで「いくつか倒せるパターンを考えている。そのうちのどれか一つが引っかかって倒せると思います」と左右田攻略のイメージは完璧だ。

　また左右田が公開練習で「マスクと仮面は違う」「会社の代表であり、Krushのトップに立つ人間が（煽り映像で）自分の器のことをアピールして、相手に対してバーカという表現を使うところを見ていてると寂しくなる」「彼が自分の上司だったらとても悲しくなる」と発言していることについても言及。「ムカつきましたよ」といらだちを露わにし、左右田に対して反論した。

「左右田がマスクと仮面が違うと言っていて、正直、そんなに違いが大きいものだと思っていなかったです。で、Googleで検索したら、そんなに差がないということに気づきました。あと僕が『バーカ』と言って、それを不快に思う人がいたら申し訳ないと思います。でも“煽り”映像ですから。ファンに見たいと思ってもらってナンボだし、それが僕の中ではプロなんで。それにあの発言も20分くらいしゃべった中の一コマだし、そもそも経営者としての時の僕は『バーカ』なんて言わねえよって（苦笑）。

　こっちはこっちで『最初は尊敬していた』とか言われてもつまらないし、試合が決まったら本気で殴りっこするのがKrushでしょう。左右田は『言いたいことを言う』とか『自分の好きにやる』と言っておきながら、宮田（充プロデューサー）さんに『他の選手が噛みついてこないことをどう思いますか？』と聞いてみたり、お前の意見はねえじゃん。全部人の意見じゃねえかよって。あいつの言葉を借りるなら、もし自分の部下にあんなグチグチうるさいやつが言ったらクビにします。

　左右田はKrushのベルトをK-1への踏み台にするって言っていましたけど、そんなに甘いもんじゃねえよというところを見せたいですね。Krushのチャンピオンベルトが僕を強くしてくれたと思うので、そんな簡単じゃねえよっていうのを見せます。（左右田戦をクリアしたら？）KrsuhとK-1は色が違う興行で両方とも面白いし、どっちがどうはないけど、僕は子供の頃にK-1に憧れていたので、K-1でチャンピオンになりたい。それが夢や最終目標ではなくて、（K-1のベルトを）獲ってどうするかが僕の人生にとって大事なことです。だから目標は左右田を倒して、K-1のトーナメントに出て、俺が本戦・左右田がリザーバーいう状況を作ることです」

　まさに価値観やイデオロギーが全く異なる2人によるタイトルマッチ。中澤は「このくらい熱い方がいいんじゃないですか。こういう試合は格闘技ファンだけじゃなく、無党派層の人が見てくれると思うので」と話し、ファンへのメッセージを求めると「次の試合はメインイベントとして、どの試合よりも熱い試合をする自信があるので最後まで見ていってください」と激闘を宣言。中澤がKrush王者としての強さを見せつけるか？