8月のKrush後楽園大会でK-1ファイターの左右田泰臣に勝利し、王座初防衛に成功したKrush-65kg王者・中澤。今回はK-1初参戦で大和哲也と対戦することが決まった。

　公開練習で2分1Rのミット打ちを披露した中澤は「K-1は全ての格闘家が出たい舞台。だからその舞台に出られるというのはオリンピックに出るようなもの」とK-1参戦の喜びを語る一方「K-1に出ることが目標じゃない。K-1に出てチャンピオンになることに意味がある」と現状には満足していないと言い切る。

「K-1参戦が決まって、周りからは『中澤純はK-1に出るすごい人なんだな』という反応でした（笑）。やっぱりK-1ファイターはスターで、K-1は全ての格闘家が出たい舞台。だからその舞台に出られるというのはオリンピックに出るようなものですよね。選ばれた選手しか出られない舞台だと思います。

　ただ僕は良い意味で欲深い人間なんで『Krushでチャンピオンになってすごいですね』や『K-1に出てすごいですね』と声をかけてもらえるんですけど、全然まだまだなんですよ。K-1に出るだけじゃなくて、K-1に出てチャンピオンになることに意味があると思っています。だからようやくスタートラインに立ったというところですね。試合的にも今回はヘビー級のトーナメントが主役で、試合順もメインイベントでやるわけじゃない。だから本当にここからです」

　対戦相手の大和は旧K-1でも活躍した、この階級きってのハードパンチャーだが「普通にやれば勝てる相手」とキッパリ。さらに「彼はブレている選手」とバッサリ切り捨てた。

「（大和の印象は？）僕はブレている選手だなと思います。色々あったと思うんですけど、僕が知っている大和哲也は旧K-1のトーナメントで優勝して、それからムエタイに行ってチャンピオンになった選手なんですよ。でもそこで新生K-1がスタートしたら、やっぱりK-1だなってK-1に戻ってくるのは…正直ブレブレですよね。

　逆に自分はKrush以外の団体でチャンピオンだった時から空気を読まずに『Krushのチャンピオンになりたい』と言い続けて、Krushで戦ってチャンピオンになりました。それで同じグループのK-1に出るわけだから、僕の方が一途だと思いますよ。

（その差が試合に出る？）K-1とムエタイは似ているようで違うもので、野球とソフトボールくらい違うと思うんですよ。大和選手がK-1ルールから離れている間に（ムエタイで）培ってきたものが無駄だとは言わないし、すごいことだと思いますけど、逆に僕はその間にずっとK-1（Krush）ルールで戦い続けて結果も出してきました。そこの差は試合で出ると思いますよ。

　大和選手もムエタイの時と比べてステップを使うようになったとは思いますけど…正直、彼よりもやりにくい相手はたくさんいるし、別にみんなが『すごい！すごい！』というほど大和選手のことをすごいと思わないです。自分が負ける相手じゃないし、普通にやれば勝てると思っていますよ」

　さらに中澤は今回の試合のテーマを「大人の喧嘩」とし「自分が成功するために大和選手を倒す。ここで大和選手に勝てばタイトル挑戦はグッと近づくでしょう」とK-1スーパー・ライト級王者・野杁正明に挑戦状をたたきつけるつもりだ。

「今回の試合のテーマは“大人の喧嘩”です。大和選手も『オラオラ！』って来るわけじゃないし、僕も大和選手もいい大人なんで、そういうことをやってもしょうがない（笑）。どちらが成功するためにはどちらかが勝たないといけないわけで、僕は自分が成功するために大和哲也を倒しますよ。

（目指すものはK-1王座？）はい。ルールは違いますけど、大和選手は（ムエタイで）現チャンピオンの野杁正明に勝っている相手ですから。その大和選手に勝てばタイトル挑戦はグッと近づくでしょう」

　現在28歳の中澤は「K-1では遅咲きの部類に入ると思うけど、タイトルを目指して（初代ウェルター級王座決定トーナメントで活躍した）モハン・ドラゴンのように30手前の強さを見せたいと思います」とファンにメッセージ。ファイターとして今が旬の中澤はK-1のリングでどんなインパクトを残すか？