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[ニュース]2018.2.10
「K-1 WORLD GP」3.21(水・祝)さいたま 挑戦者・日菜太、スーパー・ウェルター級王者チンギス・アラゾフとの大一番に向けて佐藤嘉洋と公開スパーリング!佐藤が日菜太に“潰す圧力”を伝授
    
 2月9日(金)東京・クロスポイント吉祥寺にて、3月21日(水・祝)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN 〜K'FESTA.1〜」の[K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で王者チンギス・アラゾフと対戦する挑戦者・日菜太が公開練習を行った。
 アラゾフとの大一番を控える日菜太に強力な援軍が現れた。かつてK-1MAXで魔裟斗と共に世界の強豪たちと鎬を削ってきた佐藤嘉洋だ。今回“新生K-1史上最大のビッグマッチ”「K'FESTA.1」でアラゾフ戦を控える日菜太のためにK-1実行委員会が日菜太と佐藤のスパーリングを企画し、両陣営がそれを承諾。プロのリングで対戦することのなかった2人が公開練習という形で遂に拳を交えた。

 そんな夢の対決は序盤から白熱。日菜太が得意の左の蹴りを繰り出せば、佐藤も持ち前の圧力で日菜太を後退させてパンチとローを打ち込んでいく。スパーリングの終盤には互いのパンチが顔面を捉えるなど激しさを増し、濃厚な3分間が終了となった。公開練習終了後、2人はマスコミの囲み取材に応じ、肌を合わせた感想を語った。

佐藤嘉洋
「最初は『K-1 AWARDS 2017』の時に関係者から面白い企画を考えていると言われて、最初は僕が世界で戦ってきた技術を日菜太に伝授する内容だと聞いていました。その3日後くらいに『スパーリングをやりませんか?』と言われて、最初はまじか?と思いました(笑)。現役を引退してからは年に1〜2回はスパーリングをすることがあって、一昨年には野杁正明や大和哲也ともスパーリングしたんですね。でも2017年は全くやっていなくて。この日のためにジムの会員さんにミットを持ってもらったり、スパーリングの相手をしてもらって身体を作ってきました(笑)。

 現役時代、日菜太とは3回くらい試合をする予定があったんですけど、互いにニアミスがあって、巡り合うことがありませんでした。僕は今のスーパー・ウェルター級(70kg)の日本のトップは日菜太しかいないと思っているので、引退した身の僕がこうして日菜太と肌を合わせらえれるのは光栄なことです。こういう形でボコられましたけど(笑)、1Rやってみて本当にすごいなと心から尊敬しました。

 今日は軽いスパーだったんですけど、日菜太はベテランになったのに手数が多い。外国人と戦うことを考えた時、日本人の身体能力で一発の強さしかなかったら通用しにくいけど、日菜太の手数の多さは世界と戦っていくうえで必要不可欠なものだと思いました」

日菜太
「僕は佐藤さんと試合がしたかったのですが、それは実現しませんでした。でも形は違いますが、佐藤さんと手を合わせることが出来てよかったです。僕はずっと佐藤さんの試合を見ていて、今日スパーリングしてみて、なんで佐藤さんが相手を下がらせることが出来るのか、少しだけ意味が分かりました。

 佐藤さんは“大きい”というか、大きい圧力で相手を下がらせて、相手はそれに負けちゃうんだなと。今日は1Rだけだったでしたが、すごく楽しいスパーリングだったので、あと2〜3Rはやりたかったです(笑)」

 今回のスパーリングで日菜太が得たものは佐藤の圧力の掛け方だ。「佐藤さんは決して動きが速くないんだけど潰してくる圧力がある。こういう圧の掛け方は勉強になった」という日菜太に対し、佐藤は「僕は選手を育ててないので、現役時代に培った技術やノウハウは惜しみなく教えますよ」と佐藤独自の圧力の掛け方を伝授。佐藤の特別講習を受けた日菜太は「アラゾフはひらひら動くので、そこを捕まえるように佐藤さんから教わったことを試してみたい」と
アラゾフ攻略のヒントを得たようだ。
 改めて王者アラゾフとの対戦について聞くと、日菜太は「僕は相手が誰でも自分を信じて戦ってきた。自分らしく戦いたい」。一方の佐藤は「あくまで一格闘技ファンの意見として、日菜太には手数でアラゾフの手数を潰してほしい」とアドバイスを送る。

佐藤嘉洋
「僕のアラゾフの印象は『身体能力がすさまじい』ですね。僕はトーナメント準決勝でジョーダン・ピケオーを失神させたフックの軌道が忘れられなくて、あのパンチで失神させるってどんなパワーを秘めているんだろう?と思うくらいありえない倒し方でした。またオーソドックスとサウスポーを自在にやるし、送り足からの左ストレートも脅威です。対策はクロスポイント吉祥寺のみなさんが考えていると思うので、あくまで一ファンとしてメディアのみなさんの前で言うとしたら、日菜太は手数が多い選手だから、それでアラゾフの身体能力を潰すために前に出て削っていくしかない。一ファンとしてそう思っています」

日菜太
「相手がアラゾフだからと言ってやることを変えると自分の形が崩れてします。新しいことをやりすぎるのはリスクがあることだから、自分を信じてやるしかない。僕はそうやってここまでこれたし、今回もそうするつもりです。どうやって戦おうか決めてはいませんが、僕らしい試合をしたいと思います。また僕は下馬評が悪い時こそ自分が勝つ可能性があると信じています。今回もK'FESTA.1の特設サイトの勝利者予想が最初は98:2だったんですけど、今は90:10になりました。9:1で僕が勝つと思っている人もいるので、僕は勝ちに行きます」

 日本人選手の苦戦が続くスーパー・ウェルター級において、日菜太は世界の強豪と渡り合える数少ないファイターの一人。佐藤は「僕も周りから勝てないと言われた試合で勝ってきた時、周りがなんと言おうと自分や会長だけは勝利を信じていました。リングの上で戦うのは選手一人ですが、選手とセコンドが一丸となって周りの雑音をはねのけて、勝利を信じて戦ってほしい。きっとそういう姿にみんな感動すると思います」と日菜太にエールを送る。

 これに日菜太も「今の言葉を聞いていて、佐藤さんがブアカーオをKOした時の試合を思い出しました。それだけ自分の勝利を信じてやることが大事で、周りが何と言おうと絶対に勝つと信じています」と呼応。さらに「誰も勝てないと思って試合はしない。それだったら試合はしないし、僕はアラゾフに勝てると思っているから試合をする。アラゾフに勝って、ずっと獲れなかったK-1のベルトをしっかり獲る」と力強く語った。

 最後に日菜太は「僕が最後にK-1MAXのリングに立ってから10年。そういう意味でも次のアラゾフ戦は自分の集大成です。勝てないと思っていてもそうじゃない。勝負に絶対はない。今まで周りの予想をひっくり返してきた自分がそれを証明して、3・21(サンテンニイイチ)はスゲエいい日にしたいと思います!」とファンに勝利を約束。日菜太よ、アラゾフの壁を打ち破りK-1のベルトを勝ち取れ!
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