安保璃紅と朝久泰央、共に先んじてK-1で活躍している兄を持つ2人が激突する。璃紅はKrushのリングで無敗のままスーパー・フェザー級チャンピオンに輝き、昨年10月の初防衛戦で郷州に敗れて王座を失ったものの、今春に兄・安保瑠輝也と共に大阪に自らのジムを設立。再起後は2連勝と勢いを取り戻して待望のK-1初参戦となる。対する泰央も璃紅が制した第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメントに参戦し、準決勝でレオナ・ペタスに敗れたが、その後は連勝中で波に乗り、K-1スーパーファイトは初出場だ。

　会見では「ずっとK-1に出たかったんでやっとかって感じで、それがこの大阪大会ということでめちゃくちゃワクワクしてます」と大阪でK-1初出場の喜びを表す璃紅に対し、泰央は「対戦相手が分からなくて、相手が宮田プロデューサーなのかなと思ったぐらいです(笑)。安保選手という強い選手が来てとても嬉しく思います」と笑いを交えた挨拶で意気込みを語る。

　対戦相手の印象を問われると、泰央は「ずっと宮田さんが相手だと思っていて、宮田さんの印象しか考えてませんでした。乱闘をいつも止めて精神力と身体の軸がしっかりしてるプロデューサーだなと考えてました」と宮田プロデューサーの印象を語り、璃紅も「僕も直前で対戦相手を聞いて、印象という印象はない」とどちらも対戦相手のことは特に気にしていないようだ。

　しかし璃紅が「僕は芦澤（竜誠）とかとやりたかったですね。だから相手が役不足じゃないですけど、まあ（朝久は）強いかなってぐらいです」と役不足扱い。すると泰央の鋭い目付きが一段と鋭くなり「さっき役不足と言われてちょっと腹が立ってます。K-1は口だけでやる舞台じゃないんで、一方的にボコボコにして今言ったことを後悔させるぐらい痛めつけます。3Rの2分59秒までしっかりボコボコにして、ラスト1秒残して倒します」と殺伐としたコメント。

　この泰央の復讐宣言に璃紅も苛立ちを見せ「今の（朝久の）言葉に僕もちょっと頭にきたんでターゲット変更ですね。僕も真っ向からぶつかっていきたい」とスイッチが入った様子で、普段は物静かな2人が珍しくバチバチに闘志を燃やしていた。