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[ニュース]2016.4.11
山本優弥が4・10「Krush.65」で感動の引退セレモニー「これからは心のある選手を育てる教育者になっていきたいと思います」
    
 4月10日(日)東京・後楽園ホールで開催された「Krush.65」にて山本優弥の引退セレモニーが行われた。
 2月に現役引退を発表していた優弥がホームリングと言えるKrushで引退セレモニーを行った。試合用のガウンを羽織り、フードをかぶって入場した優弥はロープをまたぐ際、感慨深げな様子でやや時間を置いたが、笑顔を見せるとリングインし、バンテージを巻いた手でシャドーボクシングを繰り広げる。

 関係者から贈られる花束と金一封を優弥は感謝の面持ちで受け取る。続いて牧平圭太、城戸康裕、山内佑太郎、佐藤嘉洋といった過去に対戦した選手たちがリングに上がって花束を贈り、記念写真に納まる。そして優弥はファンに向けて最後のメッセージを送る。

「山本優弥です。いまライバルたちに上がってもらいましたけど、みんなデカい。このリングというのは血のにじむような努力をして上がって、勝者・選ばれた人しか話すことができません。最初に、試合もできないのにここからものを言うのを許してください(四方に礼)。

 大きい男がリングに上がるとすっごい狭いんです。僕は試合前も緊張しないよう、何も考えないようにしていましたけど、相手が目の前に来るとすっごい怖ったです。

 応援してくれる人、見にきてくれる人、興行を盛り上げようと動いてくれる人がいなければ、僕の存在価値がないことは分かっていました。11歳で空手を始めて、先生・先輩に憧れて、キックボクシング、K-1、Krushと14年間続けてこられたのは不思議なことで 見に来てくれる人がいなければここで戦っても何の意味もない。何を感じて帰ってほしいかを日々考えてトレーニングしていました。

 師匠や周りの人から教育されて63戦できました。僕は命を懸けて戦うことしか返すことができませんでしたが、命が尽きる前に体が限界を迎え 生きてリングを降りれることを嬉しく思っています。一方で生きて降りるのは恥ずかしい気持ちでいっぱいです。

 これから指導者になりますが、これまでスポンサーになってくれた人というのは、僕を応援してくださった人で、僕を教育してくれた人だと思います。これからも山本優弥を育ててよかったと思ってもらえるように、関わってよかったと思ってもらえるよう、心のある選手を育てる教育者になっていきたいと思います。

 選手としての山本優弥だけでなく、引退しても仲良くしてもらって、分かち合ってもらえれば嬉しく思います。これからもよろしくお願いします。2016年、4月10日、山本優弥はここに引退します。ありがとうごございました(四方に礼)」

挨拶の後、優弥は10カウントゴングを聞き、大声で場内に感謝を告げると、再び笑顔でリングを降りて行った。
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