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[ニュース]2019.8.12
「K-1 WORLD GP」8.24(土)大阪 ライト級王者・林健太、最高のKOを亡き恩師に捧ぐ!「フンファー会長がいたからK-1王者になることが出来た。会長の遺志を受け継いで、ジム全員で勝ちに行く」
    
 神奈川・綾瀬のFLYSKYGYMにて、8月24日(土)エディオンアリーナ大阪(第1競技場)で開催される「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN 〜日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイトin大阪〜」の[日本vs世界・5対5/K-1ライト級/3分3R・延長1R]でデニス・デミルカプと対戦する林健太が公開練習を行った。
 大会も迫り、追い込みも終盤の時期とあって「去年より暑く感じるんで、汗の量が凄くて去年よりしんどいです」と酷暑の中のトレーニングで疲労も溜まっていると話す林。「フィジカルを見てもらっている高村(淳也)トレーナーに週2回ぐらい全身マッサージをしてもらって、疲れも抜きながらやっているので、あとはもう気持ちですね」と信頼するトレーナーのケアを受けて、試合に向けて調整を続けている。

 以前のインタビューで林はパンチ力強化のために背中のトレーニングを意識して行っていると語っていたが、それと同時にカーディオ面の強化にも力を入れてきた。

「背中の強化を意識して始めたのは3月のタイトルマッチが終わってから。4月の半ばぐらいからけっこうガンガンやってます。背中が広くなりましたし、分厚くもなりました。あとは背中だけじゃなくて毎日ラントレも入れてるので、スタミナもすごくなったし、日焼けで黒くなりました(笑)。僕は技術じゃなくて気持ちで戦う+しんどいことも無視して戦うファイターです。3月の試合前は『水に潜るイメージで戦う』と言ったんですけど、まだまだめっちゃ潜ることができるようになったと思います。延長も入れて4R計12分、息を止めてもパンチを打てるぐらいのスタミナにはなってます」

 今回の試合が決まった数週間後、FLYSKYGYM(以下、FSG)のフンファー会長が急逝。仕事の事情もあり、K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTからFSGに練習の拠点を移した林にとってフンファー会長は「会長がいなかったらK-1チャンピオンになることができなかった」と話すほど大きな存在・支えだった。

「会長が居らへんかったらK-1チャンピオンになれてないんで。僕をK-1チャンピオンにしてくれた凄いトレーナーでした。対戦相手が決まると対策を全部会長に任せていたので、会長が亡くなってしまって『どうしよう?』という不安があったんですけど、トレーナーのキヨ(キヨソンセン)たちと一緒に動画を見ながら二人三脚で対策を練っています。キヨからも『会長がいなくなった今、俺が頑張らな』って熱量も感じていて、自分もしっかり勝って結果を出してキヨの気持ちに応えたいと思います。FSG全体として会長の遺志を継いで行きたいですね」

 林がFSGに練習拠点を移した当初はKREST所属で試合に出場していたが、フンファー会長はセコンドにつき懸命に林をバックアップしていた。その懐の深さに林は「そういう気持ちのある方やからこそ、しっかり気持ちで、結果で返して行きたいですね」と言葉に力を込める。技術面ではしつこいぐらいにディフェンスについて言われていたという林は「それでやっぱディフェンスが身に付いたってのもありますね」と感慨深げに語る。

「とにかく『パンチを打ったらこうしなさい』とか『健太、これができてない』って言われたのは今でも覚えてるので、それを頭の中に意識しながらやってますね。会長からは色んなことを教えてもらって、その一言をしっかり頭の中で思い出しながら練習してます。練習していると会長の言葉が蘇ってきますね。

 会長が亡くなって、会長と交流のあったタイ人の先生たちがジムに来てくれるようになりました。みんなが“会長のために”という気持ちで動いてくれてると思うので、しっかり俺が勝ってチームみんなで笑っている姿を会長に上から見てもらうのが一番やなって思います」

 公開練習では「普段ミットを持ってもらってるわけじゃないんですけど、FSGみんなで頑張ってるということを分かってもらえれば」という林の希望で、フンファー会長の奥さんでFSGを引き継いだ里美さんにあえてミットを持ってもらいミット打ちを行った。まさにFSGファミリー一丸となって勝利を目指す一戦となる。

 対戦相手のデミルカプはK-1初参戦。19歳ながらアグレッシブなファイトスタイルと多彩な攻撃でKOを量産している。デミルカプについて林は「ガツガツ来るイメージがあるのでしんどそうやなとは思います」とデミルカプのアグレッシブさを警戒しつつ「向こうの方がしんどくなるぐらい、僕のスタミナが凄いと思います。あっちがガッ!と来る前に僕がじりじり攻めて動けないようにしてあげようと思います」とニヤリ。

 続けて「KOのイメージはできてるんですけど、やっぱ欧米人というか外国の選手は基本お腹が弱いイメージがあるんで。僕のイメージではお腹で倒れてるかなと思いますね」とボディブローでのKO宣言も飛び出した。

 卜部功也という偉大な先輩から勝ち取り受け継いだベルト。林はどんなチャンピオンを理想像としているのか?

「むちゃくちゃ強い誰にも負けへん最強のファイターというよりは、どんな試合を見ても面白い、興奮する最高のファイターですね。最強だけでなく、最高のファイター・チャンピオンを目指してます。毎試合毎試合心がけてるのが、見ていて鳥肌が立つような、興奮するような、気づいたら拳を握って手に汗握るような戦いをすること。それで最後は俺が勝つのがベストですね」

 最後に「FSG陣営一丸となってしっかり勝とうと思っていて、今回は特に笑いのことはないんですけど、その節はすいませんでした(笑)。その分、しっかり試合で魅せるんで応援よろしくお願いします」と話した林。フンファー会長、そしてFSGファミリーの想いを胸に林がK-1のリングに立つ。
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