大晦日RIZIN出場以来、約4カ月ぶりの試合となった-55kg王者・武尊。大晦日の試合を終えて「1カ月経ったくらいから戦いたい欲が溢れて来て、やっと試合で爆発できるなっていう気持ちがどんどん強くなっています」と試合が待ち遠しいと言わんばかりだ。

　今大会では自ら希望してムエタイの強豪ヨーセンチャイとの対戦が決定。自身もタイで練習した経験がある武尊だが「特別にムエタイ対策をやることはなかった」という。そこには武尊ならではの持論がある。

「チームドラゴンには色んなタイプがいるし、ヨーセンチャイもファイタータイプ。ドラゴンの選手の方が蹴りもパンチも上手いので、ドラゴンで練習していれば問題ないと思います。（ムエタイの映像などは見た?）相手の映像以外は見てないです。僕はムエタイスタイルを極めたいとは思っていないし、ドラゴンで培ったK-1スタイルで勝ちたいと思っています。

　むしろ逆にムエタイより空手の映像を見ました。ムエタイは形はキレイだけどトリッキーな蹴りはないし、空手の蹴りは当たると思います。色んな格闘技のスタイルがミックスされているのがチームドラゴンの強み。前回の試合前からずっと一撃で倒す技を磨いているので、今までに見せたことがない技をやりたいと思います」

　その言葉通り、公開練習として行った石田圭祐とのマススパーリングでは飛びヒザ蹴り、バックスピンキック、ブラジリアンキックなど、過去の試合ではあまりに見せなかった蹴り技を披露。「今までにない技や動きを練習していて、今はもうそれが自然に出るようになっています」という。

　さらに武尊はゴング格闘技増刊「K-1×Krush YEAR BOOK 2016」でプロレスラーの武藤敬司と対談した際に「もし飛びヒザ蹴りで勝ったらシャイニングウィザードと名乗っていいと許可を得た」というエピソードを明かし「ヨーセンチャイにシャイニングウィザードで勝ってK-1 LOVEポーズをやると約束したので（飛びヒザ蹴りを）狙えたら狙いたい」と語った。

　大晦日の試合以降、一般メディアへの露出も増えている武尊は「僕はもっとK-1を知ってもらいたいし、実際に試合を見てもらってナンボ。僕がメディアに出て、K-1に興味を持ってもらって、実際に試合を見てもらえばK-1や僕の魅力が伝わると思います」。

　格闘技以外のジャンルの人々と交流することで「刺激があるし、客観的にK-1を見る目が分かる」と学ぶことは多く「新しくK-1を知ってくれる人が増えると、僕はそれがプレッシャーじゃなくてパワーになる」と力強く話す。

　キャリア初のムエタイファイターとの対戦、そして注目を集める2016年の初陣を前にしても「いつも通りの自分を見せれば自然と試合は盛り上がるし、最高の試合を見せる自信があります。しかも相手が望んでいたタイのチャンピオンなんで楽しみです」と武尊に気負いはなし。

「大晦日に試合をして注目も高くなっているし、K-1を見てくれる人が増えたと思います。だから今度は実際にK-1の試合を見てもらって、K-1最高・武尊最高と思ってもらいたい。今年も全試合全KOで終わることが目標なので、最高の試合で最高のKOを見せたい」と改めてKO勝利をファンに誓った。