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[ニュース]2020.11.4
水町浩、K-1のリングで20年以上の現役生活にピリオドを打つ「最後の試合はすべて人のためと思って戦った。これからは格闘技の楽しさが伝わるジムをやりたい」
    
 11月4日(水)福岡市内にてECO信頼サービス株式会社Presents「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN〜K-1九州初上陸〜」福岡国際センター大会の一夜明け会見が行われた。
 第3試合のK-1ライト級スーパーファイトを竜樹と戦った水町浩は、延長にもつれ込む激戦の末に判定勝利。試合後には、この日をもっての引退を表明していた。

 1999年にプロデビューし、来年には41歳になるベテランが、K-1 JAPAN GROUPに初参戦したのはキャリアも終盤に差しかかった37歳の時だった。自身でも「選手としての最終章をK-1でやろうと決めていた」という水町は、現体制のK-1としては初となる地元・九州での大会へのオファーに「願いが通じたんか」と驚きを隠せなかったようだが、「最後全部出し切って終わろうと思って、話をいただいてからは腹を括ってやりました」と、格闘技人生の集大成として、竜樹との一戦に挑んだことを告白した。

 20年以上に及ぶ長い現役生活を続けられた理由として、「戦っているのは自分一人なんですけど、これはもう間違いなく周りのサポートですね」と水町。「周りの自分以外の人のつながりでやってこれたんじゃないかなと思います」と、周囲のサポートが現役生活を続けられた要因であったことを強調した。

 今後に関しては、「せっかくキックボクシングに20年以上関わってきたんで、キックボクシングの楽しさ、格闘技の楽しさを教えられるようなジムを自分でできたらなと思っています」と、自らジムを作り、後進の指導に当たりたいという目標もある。また、同年代の現役ファイターたちへも、「自分の年代であるとか、もうちょっと上の43から45ぐらいの人が活躍できれば、本当に今の20代の選手は希望が持てる。まだ先があるって。無責任なことは言えないですけど、納得いくまでがんばってほしいですね」とエールを送っていた。
 
水町浩
「村上塾の水町です。選手としての最終章をK-1でやろうと決めて、それでいて自分の地元でK-1が開催されるということで、そこで話をいただいた時に、『願いが通じたんか?』と思ってびっくりして、そこで最後全部出し切って終わろうと思って、話をいただいてからは腹を括ってやりました。(引退を決めた一番の要因は?)20代の時は絶対30歳の時にはやってないと思ってたし、30歳になったら35はないなと思っていて、35の時も40の時は100パーないなと思ってたんですよ。でも、昨日も試合をしてたんで、これはドンドンドンドン続いていくのかなと思ってたんですけど、さすがに次の人生のことも考えないといけないなと思って、そろそろかなと思いました。

(格闘技人生を振り返り、昨日はどんな心境だった? また、今後の人生の目標は?)格闘技を始めた理由は自分自身が強くなりたくて始めたんですけど、キャリアを積んでいくうちに、一試合一試合重ねていくうちに、人のためって言ったらおこがましいですけど、自分のために戦うというよりも、周りの応援してくれてる人だったり、全く関係なくても試合を見て勇気を与えられたりするような選手になりたいなと。そういうのが戦うモチベーションになってきたんで。

 特に昨日は最後と決めてたんで、昨日に関しては全部人のためと思ってやりました。今後についてはせっかくキックボクシングに20年以上関わってきたんで、キックボクシングの楽しさ、格闘技の楽しさを教えられるようなジムを自分でできたらなと思っています。

(20年以上長く続けられた理由は?)戦っているのは自分一人なんですけど、これはもう間違いなく周りのサポートですね。昨日も一晩寝れなかったんですけど、20年間のことを考えてたんですけど、試合を考えたというよりは本当に一人ひとりの顔を、この人に支えてもらったとか、まあ嫌いな人の顔も出てきたし、でもそれもパンチ一発につながったし、それですね。周りの自分以外の人のつながりでやってこれたんじゃないかなと思います。

(試合のことを考えなきゃいけない日々でなくなったと思うが、その中で思ったことは?)格闘技はちょっと麻薬みたいなところがあって、多分やめるって決めてやめても、2〜3カ月経つとやりたくなってくる、そういうところがあると思うんですよ。脳内物質みたいな。

で、自分の中で昨日で終わりだなと思っていても、今までそんなことは、怪我してこれで最後だろうとか、先程言ったように、20代の時は30歳の時にはやってないとか、いつか終わりが来ると思って、でもやっぱり数カ月でやりたくなってくるんですね。今朝も同じ感じだろうなと思うんですけど、でも、やめるって言ったんで、次はもう復帰はないですね。心境自体はそんなに変わらないですけど、本当にもう戻ってくることはないだろうということです。

(50戦以上戦った中で、あえて今思い出に残る試合は?)むちゃくちゃ難しいですね。瞬間的に出てきたんだったら、昨日の試合ですかね。やっぱり自分が好きで、強くなりたくて始めた格闘技でも、最後自分は考えなくて、周りの応援してきてくれる人や、見てくれている人に捧げるという気持ちで戦えたのは、100%それで戦えたのは昨日が初めてなんで、あえて言うなら昨日かもしれないです。

(昨日も出場した山本真弘や、近い世代の現役選手にメッセージは?)K-1 JAPAN GROUPに参戦させてもらえたのは37歳だったんですけど、対戦相手がだいたいハタチとかそれぐらいの選手で。毎回聞かれるのは『ハタチとやりますけど』ということだったんですけど、確実にそうなってくるんですよ。自分もハタチの時は上の人たちを食って勝ってきたし、それはキャリア続けていくうちには絶対あることなんで。

で、こういう激しいスポーツは若い人たちが華やかに活躍するのが当然だし、おもしろいし、輝いているんですけど、本当の意味で未来があるのは、自分の年代であるとか、もうちょっと上の43から45ぐらいの人が活躍できれば、本当に今の20代の選手は希望が持てると思うんですよ。まだ先があるって。なんで、それを思って自分は40歳でもまだいけるぞと思って戦ったり、希望を与えたいというか、そういう夢もあったんで、ドンドン後に続いてほしいというか、無責任なことは言えないですけど、納得いくまでがんばってほしいですね、そういう選手たちには」
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