[ニュース]2022.7.16
「K-1 WORLD GP」9.11(日)横浜 武尊が返上したベルトをかけて第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント開催!「武尊が背負っていたベルトは中途半端な気持ちでは獲れない」(大岩)、「武尊選手にリングで『後のことは任せる』と言われた」(レオナ)
「K-1 WORLD GP」9.11(日)横浜 武尊が返上したベルトをかけて第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント開催!「武尊が背負っていたベルトは中途半端な気持ちでは獲れない」(大岩)、「武尊選手にリングで『後のことは任せる』と言われた」(レオナ)
7月15日(金)都内にて、9月11日(日)神奈川・横浜アリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN〜よこはまつり〜」の第1弾対戦カード発表記者会見が行なわれた。
先日、武尊の返上により空位となったK-1スーパー・フェザー級王座をかけた「K-1 WORLD GP第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」が決定した。
トーナメントには武尊の盟友・大岩龍矢、昨年3月に武尊と激闘を繰り広げたレオナ・ペタス、K-1で3連勝中の朝久裕貴が出場。Krushスーパー・フェザー級王者・中島千博は「THE MATCH 2022」で負った怪我の回復が間に合わずに出場を断念。今年1月のKrushで中島とKrushスーパー・フェザー級王座を争い、中島と1勝1敗の横山朋哉に白羽の矢が立った。
海外からは2年前に武尊とK-1&ISKAのダブルタイトルマッチを戦う予定だったアダム・ブアフフ、K-1MAXで活躍したアルトゥール・キシェンコの愛弟子=アヤブ・セギリ、中村拓己プロデューサー曰く「いい意味でムエタイらしくない超攻撃型ファイター」のナックロップ・フェアテックス、GLORYフェザー級(65kg)で最高3位まで上り詰めたベイリー・サグデンが参戦する。組み合わせは以下の通り。
一回戦(1):大岩龍矢VSアダム・ブアフフ
一回戦(2):レオナ・ペタスVSアヤブ・セギリ
一回戦(3):朝久裕貴VSナックロップ・フェアテックス
一回戦(4):横山朋哉VSベイリー・サグデン
準決勝(1):一回戦(1)勝者vs一回戦(2)勝者
準決勝(2):一回戦(3)勝者vs一回戦(4)勝者
決勝:準決勝(1)勝者vs準決勝(2)勝者
会見には日本人4選手のみが出席。武尊と同門であり直近では共にタイへ合宿に赴いたという大岩は「K-1を背負っている武尊が作り上げたベルト。僕が巻いてさらに大きいベルトにする」と決意表明。ブアフフの「大岩と武尊を2人倒すつもり」というコメントにも「このベルトは必ず自分が獲るし、このトーナメントは自分のトーナメント。主役は自分」と王座奪取に絶対的な自信を見せた。
昨年3月に武尊と大激闘を繰り広げたレオナは「今回これで負けたら終わりだと思う。生き延びるためにベルトを獲る」と並々ならぬ決意。アルトゥール・キシェンコの弟子であるセギリに対し「セギリが僕より強ければセギリが勝つし、僕が強ければ僕が勝つ」と真っ向勝負の姿勢を見せる。
朝久はビッグチャンスであるトーナメント出場を前にしても緊張の色を見せずリラックスした表情。実弟・泰央がタイ人選手であるゴンナパー・ウィラサクレックを倒した試合に続く「朝久空手vsムエタイ」の構図となるが「結局は誰が相手でも関係ない。全力で倒すのみ」とKO宣言。「ムエタイの強さ・怖さを知ることになる」と豪語するナップロックのコメントにも「僕の一撃で眠ってもらう」と一歩も退かない。
Krush王者・中島の負傷を受け、本戦出場が決まった横山。「僕が代打みたいになってますけど、ラッキーという気持ちではいない。全てを奪いにいく」とビッグチャンスで結果を示す構え。早くも「準決勝は朝久、決勝は大岩と戦いたい」と語るサグデンを「腹が締っていない」と一蹴。「人生をかけて全てをものにする」と、強豪揃いのトーナメントに挑む覚悟を見せた。
大岩龍矢
「武尊がベルトを返上してすぐに『このベルトは必ず俺が獲る』そういう気持ちでいました。武尊が『THE MATCH 2022』で悔しい思いを目の前で見て、自分も武尊と同じくらい悔しい思いをしてきたので、このベルトは必ず自分が獲るし、このトーナメントは自分のトーナメントだと思っているし、主役は自分だと思っています。責任と覚悟を持って今ここにきています。必ず優勝します。(1回戦の相手の印象)名前を聞いたときに『うわ、ブアフフだ』と感じました。戦績見たら19戦19勝無敗、ベルトを持ってて本当に強敵を用意してくれたなという感じ。タイにいるときに対戦相手聞いたんですけど、みんなでブアフフだと盛り上がりました。
(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)あまり特に気にしていなくて、誰でもいいかなという感じ。一番今は自分が強いと思っているので。(武尊が返上したベルトを争うことにどう思う?)このベルトは武尊がいろいろな形で作り上げてきた大きいベルト。ただのベルトじゃなくて、本当にK-1を背負っている武尊が背負っていたベルトで、意味があるベルトです。中途半端な気持ちでは獲れないと思います。
覚悟をもって僕もこの会見に座っているし、そのベルトをしっかり自分が巻いて、武尊が作り上げてきたベルト、作り上げてきたK-1、僕がベルトを巻いてさらに大きいベルトにするために必ず巻きます。(ベイリー・サグデンが朝久、大岩と戦いたいというが反論はある?)誰が相手でも関係ないので。目の前の相手を倒すだけなので、全然なんでも大丈夫です。来たら倒すだけです」
アダム・ブアフフ ※会見欠席のためメッセージのみ
「武尊とのダブルタイトルマッチに向けて最高の状態に仕上げていたので、試合ができなかったことは本当に悔しかった。その時の気持ちを今回のトーナメントにぶつけたいと思っている。大岩との試合で、武尊がセコンドにつくと聞いているが、それは自分にとって大きなモチベーションになる。大岩と武尊を2人倒すつもりでリングに上がる。今回、自分がK-1のベルトを巻いて、いつの日か武尊との試合を実現させたいと思う」
中村拓己プロデューサー
「大岩選手は昨年Bigbangライト級(61.23kg)のチャンピオンになって、今年4月の『K'FESTA.5』では元K-1フェザー級王者の江川優生選手からも勝利を収めました。大岩選手は武尊選手の盟友で、いつも武尊選手がセコンドについていて、今回もタイで一緒に合宿を行っています。ずっと近くで武尊選手を見て来て色んなことを感じているだろうし、武尊選手が巻いていたベルトへの想いは強いはず。それをこのトーナメントにぶつけてほしいです。
対するブアフフは2年前の『K'FESTA.3』で武尊選手とK-1&ISKAのダブルタイトルマッチをやる予定だった選手で、プロ戦績19戦19勝(10KO)を誇り、現在もISKA世界ライト級(-61kg)を保持しています。2年前はコロナの影響で来日できなかったが、どこかでK-1で試合を組みたいと思っていた選手で、武尊選手とタイトルマッチをやる予定だった選手としてトーナメントに参戦となりました。ブアフフは武尊選手と戦えなかったことを非常に悔やんでおり、トーナメントで優勝して武尊と戦いたいという想いを持っての参戦になります」
レオナ・ペタス
「この間の試合(THE MATCH)も負けてしまいましたし、今回これで負けたら終わりだと思いますので、生き延びるために先に進みたいので、このベルトは獲りたいと思います。(1回戦の相手の印象)映像も少ないのでわからないというのが本当のところですが、僕より強かったら(セギリが)勝つし、僕より弱かったら僕が勝つので、そこじゃないかなと思っているので。特に印象はありません。
(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)負けたら終わりだと思ってるので、どうでもいいし、僕がここで勝たないといけないと思っているし。この先は僕が勝たないと無いと思っているので、誰が来ても大丈夫です(武尊が返上したベルトを争うことにどう思う?)去年3月28日に武尊選手と戦って負けたんですけど、終わった後にリングの中で『後のことは任せる』みたいなことを言われました。チャンピオンと戦ったので、チャンピオンの背負っている物とか重さとか、いろいろなものを肌で感じさせてもらったので、しっかり任されようかなと思います。
(K-1のベルトについてどんな思いがある?)(亡くなった)母との約束もあるし、僕もベルトが欲しいというのもありますが、一番はK-1のベルトを獲ったら世界で一番ということで、自分のトレーナーが世界一であることを証明したいです。このトレーナーについてきてよかったな、そのトレーナーについてくるであろう選手たちも安心すると思うので、トレーナーを世界一に上げるために獲ろうと思っています。(ベイリー・サグデンが朝久、大岩と戦いたいというが反論はある?)結局は勝てるヤツの名前を挙げていると思うので、二人が舐められているのかなと思います。僕だったら勝てないから僕の名前はださないんじゃないかな。
(直近2戦は目標があって階級を上げていたというが、その目標は一時保留?)60kgの日本人の選手はほとんど勝っていたので、もういいかなと思っていました。でもベルトがかかっているのもあるし、昨年12月は-61.5kgでやって、今年6月は-62kgでやったんですけど、全然普通に通用するとは思っていて。ただ、まだベストな階級ではないと思いました。当日も1〜2kgしか体重が戻らない状態だったので、それだったら60kgでやるべきかなと。60kgでしっかりけじめをつけてから上にいきたいなと思ったので、もう一回60kgでやろうと思いました」
アヤブ・セギリ ※会見欠席のためメッセージのみ
「K-1参戦が決まり、自分の存在を世界中に知らしめるチャンスが来てうれしい。自分はK-1レジェンドのキシェンコとも練習していて、彼から多くの技術・知識を学んでいる。レオナは“石の拳”と言われているそうだが、自分もタフさとパワーには自信があるから、彼と戦うことが楽しみだ。武尊が巻いていたベルトを自分も巻き、K-1チャンピオンとしてスペインに帰りたいと思う」
中村拓己プロデューサー
「レオナ選手は昨年3月『K'FESTA.4』で武尊選手が保持していたK-1スーパー・フェザー級王座に挑戦し、惜しくも敗れたが、武尊選手と壮絶な打ち合いを展開して、K-1の歴史に残る名勝負を繰り広げました。その後は階級アップも視野に入れて、61.5kg、62.0kgで試合をしてきましたが、改めてスーパー・フェザー級がレオナ選手の適正階級だなと。そこで今回のトーナメント参戦が決まりました。レオナ選手は現時点で最後に武尊選手とK-1のベルトを争った選手であり、試合後に2人がリングで会話した場面も印象的でした。大岩選手とは違う部分で、武尊選手と触れて感じたものがあると思います。
対戦相手のセギリはモロッコ出身・スペイン在住のファイターで、固いガードと前に出る圧力を活かしたファイトスタイルが持ち味。スペインの国内タイトル、ISKAのインターナショナルタイトルを保持していて、いよいよこれから世界に羽ばたくという選手です。現在はアルトゥール・キシェンコのもとで練習を積んでいて、実はキシェンコから『武尊に勝てる選手がいる』と推薦されていた選手です。なかなか招聘できなかったのですが、王座決定トーナメントのタイミングで呼ぶことができて、レオナ選手との一戦は非常に楽しみです」
朝久裕貴
「自分はWLF武林風-60kg級世界チャンピオンの王者として、このトーナメントに優勝して、このベルトを巻きます。そしてトーナメント1回戦が一番大事だと思いますので、僕との対戦を楽しみに燃えているとのことでしたが、僕の一撃で眠ってもらおうと思います。(1回戦の相手の印象)タイの選手ということで、蹴りが得意だったりするのかな。結局は誰が相手でも関係ないと思うので、全力で倒すのみです。(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)隣に座っている横山選手強いので、外国人選手を倒して横山選手が上がってくるんじゃないかと思っています。(K-1のベルトについてどんな思いがある?)全階級そうですけど、K-1のベルトはエンターテイメント性、ストーリーじゃなくて、本当に強いヤツが巻くベルトだと思ってるので、僕が巻きます」
ナックロップ・フェアテックス ※会見欠席のためメッセージのみ
「歴史あるK-1のベルトがかかったトーナメントに出ることができてうれしい。私は相手をKOすることが好きで、K-1ファンのみなさんにも私のファイトを楽しんでもらえる自信がある。一回戦で戦う朝久裕貴は空手の選手と聞いているが、この試合でムエタイの強さ・怖さを知ることになるだろう。私もK-1のベルトを巻いて、タイだけでなく日本でも成功したいと思う」
中村拓己プロデューサー
「朝久選手は中国・武林風WLFの-60kg王者で、K-1では大岩龍矢、MOMOTARO、村越優汰に3連勝。トーナメント優勝候補の一角だと思います。現在、弟の泰央選手がK-1ライト級王者であり、もし裕貴選手が優勝してK-1スーパー・フェザー級王者になれば、史上初の兄弟同時K-1チャンピオンの誕生にもなります。対戦相手のナックロップ選手はゲーオをはじめ、数々の名選手を輩出してきた名門フェアテックスジムの所属選手で、ウィラサクレック会長から推薦をもらった選手です。
よりアグレッシブで攻撃的な試合が求められるテレビマッチを主戦場にしていて、僕も試合映像を見たのですが、いい意味でムエタイらしくない攻撃型の選手で、倒し倒されの試合で会場を沸かせる選手です。間違いなくK-1向きで、ムエタイには色んなタイプがいるなかで、僕はこういう選手をK-1に呼びたいと思っていたタイプです。またゴンナパー選手が昨年朝久泰央選手に敗れていることを踏まえて、ウィラサクレック会長も今回の朝久戦に燃えているので、朝久空手vsムエタイ、朝久道場vsウィラサクレックの第2ラウンドという意味でも注目してもらいたいです」
横山朋哉
「中島選手が出られなくなって僕が代打みたいになっていますけど、ラッキーとかいう気持ちでこの場に立ってないので、全てを奪いにいきます。(1回戦の相手の印象)階級が上でやっていた選手なので、腹が締ってない印象ですかね。あとは勢いがある。それだけですね。(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)全選手僕よりキャリアも上だし、僕以外の選手はみんなベルトを巻いていると思うので、全て挑戦だと思っているので、全て奪いにいきます。(K-1のベルトについてどんな思いがある?)歴代のチャンピオンを見ても分かるとおり、本当に一流の選手じゃないと獲れないと思う。生半可な気持ちじゃ獲れないし、人生をかけて全てをものにしようかなと思います」
ベイリー・サグデン ※会見欠席のためメッセージのみ
「K-1は世界のトップ選手が参戦する最高の舞台なので試合が決まってうれしく思っている。一回戦で戦う横山はスピーディな選手だが、俺のプレッシャーで抑え込んでやるつもりだ。日本で戦う以上、準決勝では朝久、決勝で大岩と戦いたい。俺は自分のベルトコレクションを増やすために日本に行くつもりだ」
中村拓己K-1プロデューサー
「当初、トーナメントにはKrushスーパー・フェザー級王者の中島千博選手にオファーしていたのですが『THE MATCH 2022』で負った怪我の影響でトーナメントには間に合わず。今年1月のKrushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの決勝で中島選手とベルトを争い、中島選手と通算成績も1勝1敗の横山選手がトーナメントに入る形になりました。横山選手としてはラッキーな部分もある選出だが、こういうチャンスをモノにしてトップになる選手もいるので、シンデレラボーイが生まれるかどうかを見てもらいたい。
対戦相手のサグデン選手はイギリス人で、本来は60kgが適正階級ながら、ヨーロッパでのチャンスを求めて63.5〜65kgで試合を重ねてきました。ISKA世界スーパー・ライト級(-63.5kg)王座も獲得し、GLORYではフェザー級(65kg)のランキングにも入っていて、最高で3位までいった選手です。体格差をものともしない突進ファイトが特徴的で、どんな相手にも立ち向かっていく勇敢さも持っています。突進力・フィジカル・タフさ・実績…僕は今回の外国人選手の中では優勝候補として注目しています」
またトーナメントのリザーブファイトとして、山本直樹と西元也史の対戦が決定した。山本はK-1・Krushで活躍した山本優弥の実弟。今年1月に第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの準決勝で横山朋哉に敗北。この一戦から所属を優弥道場からK-1ジム五反田チームキングスに移し、心機一転再起を図る。
西元は前戦まで"KO勝率100\%"のハードヒッターとして活躍。今年2月K-1東京体育館大会で見せた芦澤竜誠との壮絶な殴り合いは記憶に新しい。5月のKrushでは斎藤祐斗に判定勝利し全KOは途絶えたが、リザーブファイトのリングで剛打を見せるか。
山本直樹
「本戦に出られなかったんですけど、リザーブファイトでも圧倒的な強さを見せて、本戦の選手より自分が目立てば全然いいし、チャンスはないことはないと思うので、もしチャンスがくれば全て奪ってやろうと思います。(相手の印象)パンチも蹴りも上手いし、KO率も高いし、とても強い選手だと思います。自分は覚悟をして移籍したし、自分はベルトを巻くために一日一日を過ごしているので、移籍後一発目、圧倒的な強さを見せて勝ちます。(本戦へのチャンス、その後にも繋がるどんな勝ち方をしたい?)今までは上手さ目立っていたと思いますが、移籍後は強さを9月の試合を見せられると思うので楽しみにしていて下さい」
西元也史
「正直言って本戦の選手を目の前にしてめちゃくちゃ悔しいです。それは今までの自分が出してきた結果と実力だと実感しているんで、それをしっかり受け止めて。本戦に参戦できる可能性は1\%でもあれば十分だと思うので、ここをトーナメント1回戦だと思って勝ちにいきます。全力で目の前の相手を潰しにいきます。(相手の印象)すごい丁寧に上手に戦う印象が強いんですけど、ジムも変わってまたスタイルも変わってくるだろうなと思うので、深く考えすぎないようにしようとは思います。(本戦へのチャンス、その後にも繋がるどんな勝ち方をしたい?)K-1らしい戦いもそうですし、100\%のKO勝率ではなくなったんですけど、それでも誰よりもKOできるチャンスを持っていると思うので、しっかり当てて倒したいと思います」
トーナメントには武尊の盟友・大岩龍矢、昨年3月に武尊と激闘を繰り広げたレオナ・ペタス、K-1で3連勝中の朝久裕貴が出場。Krushスーパー・フェザー級王者・中島千博は「THE MATCH 2022」で負った怪我の回復が間に合わずに出場を断念。今年1月のKrushで中島とKrushスーパー・フェザー級王座を争い、中島と1勝1敗の横山朋哉に白羽の矢が立った。
海外からは2年前に武尊とK-1&ISKAのダブルタイトルマッチを戦う予定だったアダム・ブアフフ、K-1MAXで活躍したアルトゥール・キシェンコの愛弟子=アヤブ・セギリ、中村拓己プロデューサー曰く「いい意味でムエタイらしくない超攻撃型ファイター」のナックロップ・フェアテックス、GLORYフェザー級(65kg)で最高3位まで上り詰めたベイリー・サグデンが参戦する。組み合わせは以下の通り。
一回戦(1):大岩龍矢VSアダム・ブアフフ
一回戦(2):レオナ・ペタスVSアヤブ・セギリ
一回戦(3):朝久裕貴VSナックロップ・フェアテックス
一回戦(4):横山朋哉VSベイリー・サグデン
準決勝(1):一回戦(1)勝者vs一回戦(2)勝者
準決勝(2):一回戦(3)勝者vs一回戦(4)勝者
決勝:準決勝(1)勝者vs準決勝(2)勝者
会見には日本人4選手のみが出席。武尊と同門であり直近では共にタイへ合宿に赴いたという大岩は「K-1を背負っている武尊が作り上げたベルト。僕が巻いてさらに大きいベルトにする」と決意表明。ブアフフの「大岩と武尊を2人倒すつもり」というコメントにも「このベルトは必ず自分が獲るし、このトーナメントは自分のトーナメント。主役は自分」と王座奪取に絶対的な自信を見せた。
昨年3月に武尊と大激闘を繰り広げたレオナは「今回これで負けたら終わりだと思う。生き延びるためにベルトを獲る」と並々ならぬ決意。アルトゥール・キシェンコの弟子であるセギリに対し「セギリが僕より強ければセギリが勝つし、僕が強ければ僕が勝つ」と真っ向勝負の姿勢を見せる。
朝久はビッグチャンスであるトーナメント出場を前にしても緊張の色を見せずリラックスした表情。実弟・泰央がタイ人選手であるゴンナパー・ウィラサクレックを倒した試合に続く「朝久空手vsムエタイ」の構図となるが「結局は誰が相手でも関係ない。全力で倒すのみ」とKO宣言。「ムエタイの強さ・怖さを知ることになる」と豪語するナップロックのコメントにも「僕の一撃で眠ってもらう」と一歩も退かない。
Krush王者・中島の負傷を受け、本戦出場が決まった横山。「僕が代打みたいになってますけど、ラッキーという気持ちではいない。全てを奪いにいく」とビッグチャンスで結果を示す構え。早くも「準決勝は朝久、決勝は大岩と戦いたい」と語るサグデンを「腹が締っていない」と一蹴。「人生をかけて全てをものにする」と、強豪揃いのトーナメントに挑む覚悟を見せた。
大岩龍矢
「武尊がベルトを返上してすぐに『このベルトは必ず俺が獲る』そういう気持ちでいました。武尊が『THE MATCH 2022』で悔しい思いを目の前で見て、自分も武尊と同じくらい悔しい思いをしてきたので、このベルトは必ず自分が獲るし、このトーナメントは自分のトーナメントだと思っているし、主役は自分だと思っています。責任と覚悟を持って今ここにきています。必ず優勝します。(1回戦の相手の印象)名前を聞いたときに『うわ、ブアフフだ』と感じました。戦績見たら19戦19勝無敗、ベルトを持ってて本当に強敵を用意してくれたなという感じ。タイにいるときに対戦相手聞いたんですけど、みんなでブアフフだと盛り上がりました。
(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)あまり特に気にしていなくて、誰でもいいかなという感じ。一番今は自分が強いと思っているので。(武尊が返上したベルトを争うことにどう思う?)このベルトは武尊がいろいろな形で作り上げてきた大きいベルト。ただのベルトじゃなくて、本当にK-1を背負っている武尊が背負っていたベルトで、意味があるベルトです。中途半端な気持ちでは獲れないと思います。
覚悟をもって僕もこの会見に座っているし、そのベルトをしっかり自分が巻いて、武尊が作り上げてきたベルト、作り上げてきたK-1、僕がベルトを巻いてさらに大きいベルトにするために必ず巻きます。(ベイリー・サグデンが朝久、大岩と戦いたいというが反論はある?)誰が相手でも関係ないので。目の前の相手を倒すだけなので、全然なんでも大丈夫です。来たら倒すだけです」
アダム・ブアフフ ※会見欠席のためメッセージのみ
「武尊とのダブルタイトルマッチに向けて最高の状態に仕上げていたので、試合ができなかったことは本当に悔しかった。その時の気持ちを今回のトーナメントにぶつけたいと思っている。大岩との試合で、武尊がセコンドにつくと聞いているが、それは自分にとって大きなモチベーションになる。大岩と武尊を2人倒すつもりでリングに上がる。今回、自分がK-1のベルトを巻いて、いつの日か武尊との試合を実現させたいと思う」
中村拓己プロデューサー
「大岩選手は昨年Bigbangライト級(61.23kg)のチャンピオンになって、今年4月の『K'FESTA.5』では元K-1フェザー級王者の江川優生選手からも勝利を収めました。大岩選手は武尊選手の盟友で、いつも武尊選手がセコンドについていて、今回もタイで一緒に合宿を行っています。ずっと近くで武尊選手を見て来て色んなことを感じているだろうし、武尊選手が巻いていたベルトへの想いは強いはず。それをこのトーナメントにぶつけてほしいです。
対するブアフフは2年前の『K'FESTA.3』で武尊選手とK-1&ISKAのダブルタイトルマッチをやる予定だった選手で、プロ戦績19戦19勝(10KO)を誇り、現在もISKA世界ライト級(-61kg)を保持しています。2年前はコロナの影響で来日できなかったが、どこかでK-1で試合を組みたいと思っていた選手で、武尊選手とタイトルマッチをやる予定だった選手としてトーナメントに参戦となりました。ブアフフは武尊選手と戦えなかったことを非常に悔やんでおり、トーナメントで優勝して武尊と戦いたいという想いを持っての参戦になります」
レオナ・ペタス
「この間の試合(THE MATCH)も負けてしまいましたし、今回これで負けたら終わりだと思いますので、生き延びるために先に進みたいので、このベルトは獲りたいと思います。(1回戦の相手の印象)映像も少ないのでわからないというのが本当のところですが、僕より強かったら(セギリが)勝つし、僕より弱かったら僕が勝つので、そこじゃないかなと思っているので。特に印象はありません。
(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)負けたら終わりだと思ってるので、どうでもいいし、僕がここで勝たないといけないと思っているし。この先は僕が勝たないと無いと思っているので、誰が来ても大丈夫です(武尊が返上したベルトを争うことにどう思う?)去年3月28日に武尊選手と戦って負けたんですけど、終わった後にリングの中で『後のことは任せる』みたいなことを言われました。チャンピオンと戦ったので、チャンピオンの背負っている物とか重さとか、いろいろなものを肌で感じさせてもらったので、しっかり任されようかなと思います。
(K-1のベルトについてどんな思いがある?)(亡くなった)母との約束もあるし、僕もベルトが欲しいというのもありますが、一番はK-1のベルトを獲ったら世界で一番ということで、自分のトレーナーが世界一であることを証明したいです。このトレーナーについてきてよかったな、そのトレーナーについてくるであろう選手たちも安心すると思うので、トレーナーを世界一に上げるために獲ろうと思っています。(ベイリー・サグデンが朝久、大岩と戦いたいというが反論はある?)結局は勝てるヤツの名前を挙げていると思うので、二人が舐められているのかなと思います。僕だったら勝てないから僕の名前はださないんじゃないかな。
(直近2戦は目標があって階級を上げていたというが、その目標は一時保留?)60kgの日本人の選手はほとんど勝っていたので、もういいかなと思っていました。でもベルトがかかっているのもあるし、昨年12月は-61.5kgでやって、今年6月は-62kgでやったんですけど、全然普通に通用するとは思っていて。ただ、まだベストな階級ではないと思いました。当日も1〜2kgしか体重が戻らない状態だったので、それだったら60kgでやるべきかなと。60kgでしっかりけじめをつけてから上にいきたいなと思ったので、もう一回60kgでやろうと思いました」
アヤブ・セギリ ※会見欠席のためメッセージのみ
「K-1参戦が決まり、自分の存在を世界中に知らしめるチャンスが来てうれしい。自分はK-1レジェンドのキシェンコとも練習していて、彼から多くの技術・知識を学んでいる。レオナは“石の拳”と言われているそうだが、自分もタフさとパワーには自信があるから、彼と戦うことが楽しみだ。武尊が巻いていたベルトを自分も巻き、K-1チャンピオンとしてスペインに帰りたいと思う」
中村拓己プロデューサー
「レオナ選手は昨年3月『K'FESTA.4』で武尊選手が保持していたK-1スーパー・フェザー級王座に挑戦し、惜しくも敗れたが、武尊選手と壮絶な打ち合いを展開して、K-1の歴史に残る名勝負を繰り広げました。その後は階級アップも視野に入れて、61.5kg、62.0kgで試合をしてきましたが、改めてスーパー・フェザー級がレオナ選手の適正階級だなと。そこで今回のトーナメント参戦が決まりました。レオナ選手は現時点で最後に武尊選手とK-1のベルトを争った選手であり、試合後に2人がリングで会話した場面も印象的でした。大岩選手とは違う部分で、武尊選手と触れて感じたものがあると思います。
対戦相手のセギリはモロッコ出身・スペイン在住のファイターで、固いガードと前に出る圧力を活かしたファイトスタイルが持ち味。スペインの国内タイトル、ISKAのインターナショナルタイトルを保持していて、いよいよこれから世界に羽ばたくという選手です。現在はアルトゥール・キシェンコのもとで練習を積んでいて、実はキシェンコから『武尊に勝てる選手がいる』と推薦されていた選手です。なかなか招聘できなかったのですが、王座決定トーナメントのタイミングで呼ぶことができて、レオナ選手との一戦は非常に楽しみです」
朝久裕貴
「自分はWLF武林風-60kg級世界チャンピオンの王者として、このトーナメントに優勝して、このベルトを巻きます。そしてトーナメント1回戦が一番大事だと思いますので、僕との対戦を楽しみに燃えているとのことでしたが、僕の一撃で眠ってもらおうと思います。(1回戦の相手の印象)タイの選手ということで、蹴りが得意だったりするのかな。結局は誰が相手でも関係ないと思うので、全力で倒すのみです。(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)隣に座っている横山選手強いので、外国人選手を倒して横山選手が上がってくるんじゃないかと思っています。(K-1のベルトについてどんな思いがある?)全階級そうですけど、K-1のベルトはエンターテイメント性、ストーリーじゃなくて、本当に強いヤツが巻くベルトだと思ってるので、僕が巻きます」
ナックロップ・フェアテックス ※会見欠席のためメッセージのみ
「歴史あるK-1のベルトがかかったトーナメントに出ることができてうれしい。私は相手をKOすることが好きで、K-1ファンのみなさんにも私のファイトを楽しんでもらえる自信がある。一回戦で戦う朝久裕貴は空手の選手と聞いているが、この試合でムエタイの強さ・怖さを知ることになるだろう。私もK-1のベルトを巻いて、タイだけでなく日本でも成功したいと思う」
中村拓己プロデューサー
「朝久選手は中国・武林風WLFの-60kg王者で、K-1では大岩龍矢、MOMOTARO、村越優汰に3連勝。トーナメント優勝候補の一角だと思います。現在、弟の泰央選手がK-1ライト級王者であり、もし裕貴選手が優勝してK-1スーパー・フェザー級王者になれば、史上初の兄弟同時K-1チャンピオンの誕生にもなります。対戦相手のナックロップ選手はゲーオをはじめ、数々の名選手を輩出してきた名門フェアテックスジムの所属選手で、ウィラサクレック会長から推薦をもらった選手です。
よりアグレッシブで攻撃的な試合が求められるテレビマッチを主戦場にしていて、僕も試合映像を見たのですが、いい意味でムエタイらしくない攻撃型の選手で、倒し倒されの試合で会場を沸かせる選手です。間違いなくK-1向きで、ムエタイには色んなタイプがいるなかで、僕はこういう選手をK-1に呼びたいと思っていたタイプです。またゴンナパー選手が昨年朝久泰央選手に敗れていることを踏まえて、ウィラサクレック会長も今回の朝久戦に燃えているので、朝久空手vsムエタイ、朝久道場vsウィラサクレックの第2ラウンドという意味でも注目してもらいたいです」
横山朋哉
「中島選手が出られなくなって僕が代打みたいになっていますけど、ラッキーとかいう気持ちでこの場に立ってないので、全てを奪いにいきます。(1回戦の相手の印象)階級が上でやっていた選手なので、腹が締ってない印象ですかね。あとは勢いがある。それだけですね。(準決勝、決勝で対戦したい相手、勝ち上がってきそうな相手)全選手僕よりキャリアも上だし、僕以外の選手はみんなベルトを巻いていると思うので、全て挑戦だと思っているので、全て奪いにいきます。(K-1のベルトについてどんな思いがある?)歴代のチャンピオンを見ても分かるとおり、本当に一流の選手じゃないと獲れないと思う。生半可な気持ちじゃ獲れないし、人生をかけて全てをものにしようかなと思います」
ベイリー・サグデン ※会見欠席のためメッセージのみ
「K-1は世界のトップ選手が参戦する最高の舞台なので試合が決まってうれしく思っている。一回戦で戦う横山はスピーディな選手だが、俺のプレッシャーで抑え込んでやるつもりだ。日本で戦う以上、準決勝では朝久、決勝で大岩と戦いたい。俺は自分のベルトコレクションを増やすために日本に行くつもりだ」
中村拓己K-1プロデューサー
「当初、トーナメントにはKrushスーパー・フェザー級王者の中島千博選手にオファーしていたのですが『THE MATCH 2022』で負った怪我の影響でトーナメントには間に合わず。今年1月のKrushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの決勝で中島選手とベルトを争い、中島選手と通算成績も1勝1敗の横山選手がトーナメントに入る形になりました。横山選手としてはラッキーな部分もある選出だが、こういうチャンスをモノにしてトップになる選手もいるので、シンデレラボーイが生まれるかどうかを見てもらいたい。
対戦相手のサグデン選手はイギリス人で、本来は60kgが適正階級ながら、ヨーロッパでのチャンスを求めて63.5〜65kgで試合を重ねてきました。ISKA世界スーパー・ライト級(-63.5kg)王座も獲得し、GLORYではフェザー級(65kg)のランキングにも入っていて、最高で3位までいった選手です。体格差をものともしない突進ファイトが特徴的で、どんな相手にも立ち向かっていく勇敢さも持っています。突進力・フィジカル・タフさ・実績…僕は今回の外国人選手の中では優勝候補として注目しています」
またトーナメントのリザーブファイトとして、山本直樹と西元也史の対戦が決定した。山本はK-1・Krushで活躍した山本優弥の実弟。今年1月に第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの準決勝で横山朋哉に敗北。この一戦から所属を優弥道場からK-1ジム五反田チームキングスに移し、心機一転再起を図る。
西元は前戦まで"KO勝率100\%"のハードヒッターとして活躍。今年2月K-1東京体育館大会で見せた芦澤竜誠との壮絶な殴り合いは記憶に新しい。5月のKrushでは斎藤祐斗に判定勝利し全KOは途絶えたが、リザーブファイトのリングで剛打を見せるか。
山本直樹
「本戦に出られなかったんですけど、リザーブファイトでも圧倒的な強さを見せて、本戦の選手より自分が目立てば全然いいし、チャンスはないことはないと思うので、もしチャンスがくれば全て奪ってやろうと思います。(相手の印象)パンチも蹴りも上手いし、KO率も高いし、とても強い選手だと思います。自分は覚悟をして移籍したし、自分はベルトを巻くために一日一日を過ごしているので、移籍後一発目、圧倒的な強さを見せて勝ちます。(本戦へのチャンス、その後にも繋がるどんな勝ち方をしたい?)今までは上手さ目立っていたと思いますが、移籍後は強さを9月の試合を見せられると思うので楽しみにしていて下さい」
西元也史
「正直言って本戦の選手を目の前にしてめちゃくちゃ悔しいです。それは今までの自分が出してきた結果と実力だと実感しているんで、それをしっかり受け止めて。本戦に参戦できる可能性は1\%でもあれば十分だと思うので、ここをトーナメント1回戦だと思って勝ちにいきます。全力で目の前の相手を潰しにいきます。(相手の印象)すごい丁寧に上手に戦う印象が強いんですけど、ジムも変わってまたスタイルも変わってくるだろうなと思うので、深く考えすぎないようにしようとは思います。(本戦へのチャンス、その後にも繋がるどんな勝ち方をしたい?)K-1らしい戦いもそうですし、100\%のKO勝率ではなくなったんですけど、それでも誰よりもKOできるチャンスを持っていると思うので、しっかり当てて倒したいと思います」