ニュース
[ニュース]2016.5.21
高萩ツトム、学生時代の体重は53kg・スポーツ経験ほぼゼロのヘビー級ファイター「可能性はいくらでもある。若い選手たちが出てくるようにヘビー級の魅力が伝わる試合をしたい」
    
 6月24日(金)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN 〜-65kg世界最強決定トーナメント〜」。スーパーファイト出場選手インタビュー第4弾はHEAVY WEIGHT Fightで上原誠と対戦する高萩ツトムだ。
――新生K-1には一度プレリミナリーファイトで参戦経験がありますが、今回はスーパーファイトでの参戦となりました。オファーを受けた時はどんな心境でしたか?

「率直にうれしかったし、プレリミナリーファイトではなくスーパーファイトなので、かなりモチベーションが上がりました」

――高萩選手は旧体制のK-1でも試合をしていますが、何か感じるものはありますか?

「今のK-1もお客さんは同じように盛り上がっていますよね。あと昔はK-1=ヘビー級だったのが、今のK-1には色々な階級があって、昔とは違う見方が出来るようになったなと思います」

――その中で一ファイターとしてヘビー級で盛り上げたいという想いもあるのではないですか?

「もちろんです。確かに今のK-1はどの階級も盛り上がっていると思うのですが、唯一足りないのがヘビー級だと思うんですよ。ヘビー級は日本人の選手層も薄いですが、自分たちでヘビー級を盛り上げていきたいです」

――高萩選手が格闘技を始めるきっかけは何だったのですか?

「ずっと格闘技を見るのが好きで、よく会場まで試合を見に行っていたんですよね。そうやって興味はあったんですけど、なかなか格闘技を練習する場所がなくて。そしたら近所に道場が出来るということになって、そこで格闘技を始めました」

――その道場が龍道場(現K-1ジムDRAGON)だった、と。

「そうです。だから僕は本当に初期の初期メンバーで、いわゆるドラゴンの1期生ですね。同期の選手たちはほとんど引退しちゃったんですけど、僕はまだしぶとく続けています」

――格闘技を始める前は何かスポーツをやられていたのですか?

「いえ、ほぼゼロです。学生時代にバスケをかじってたくらいです。もともと道場に入った時は体重が75kgしかなかったんで、最初はK-1MAXを目標にしてたんですよ。そしたら前田憲作会長(当時)に『ヘビー級を目指そう!』と言われて、ヘビー級を目指すことになりました」

――そうだったんですね! てっきり昔から身体が大きくて、ヘビー級にスカウトされたのだと思っていました。

「身体が大きいどころかガリガリで、学生時代は178p・53kgくらいだったんです」

――53kgですか!?-70kgどころか、武尊選手と戦ってもおかしくない体重じゃないですか!!

「はい。さすがに53kgはガリガリすぎると思って自己流で筋トレを始めて、とりあえず75kgになったんですよ。それで道場に入ってからは、ひたすら筋トレして食べてを繰り返して、入門して1年後には90kgになってましたね」

――それはすごいエピソードですね…。

「プロデビューも1年後だったんですけど、本当に道場に入るまでは格闘技経験ゼロだったので、会長に鏡の前で『ジャブはこうやって打つんだよ』というところから教わって、ですね」

――そんな自分がヘビー級になってK-1で戦っているというのは想像できなかったのではないですか?

「そうですね。でも結果的にヘビー級だからよかったと思うこともありますよ」

――高萩選手が考えるヘビー級の魅了は何ですか?

「無差別級なので色々なタイプの選手がいますよね。ものすごく大きい選手もいれば僕みたいに小柄な選手もいて、パワーファイターもいればスピードで戦う選手もいる。だからヘビー級こそパワー・スピード・テクニックのすべてが揃っていると思います」

――その中で高萩選手が考える自分の武器は何でしょう?

「経験値・試合運びとテクニックです。僕は爆発的なパワーがあるわけではないので、そこは他の選手に負けない自信があります」

――今回対戦する上原選手とは過去に対戦経験があり、その時は高萩選手が判定勝利しています。

「でもそれは6年前のことだし、あれから上原選手はベルトを獲ったり、僕が勝てなかった相手にも勝っているので、実績的にもかなり強い選手だと思います。過去に勝っているというのは昔の話なので、今がどうなんだ?という現在進行形でどちらが強いかを決めたいです」

――今のK-1ヘビー級は上原選手が中心となっていますが、その状況を変えたいですか?

「ヘビー級は選手が少ないので潰し合いをしてもしょうがないと思うので、僕もヘビー級の戦いの中に飛び込んで行って、上原選手に勝って『ヘビー級は上原選手だけじゃない』というところを見せたいです」

――ヘビー級という階級そのものの存在感も見せたいわけですね。

「はい。僕も上原選手もベテランの域に入ってきたので、どんどん若いヘビー級の選手たちに出てきて欲しいですね。そういう刺激を与えられるような試合をしていきたいです」

――それこそ高萩選手自身が-70kgまで落とそうと思っていたにも関わらず、今はヘビー級ファイターとして活躍しているわけですからね。

「本当にそれです。可能性なんていくらでもあるわけですから。僕は戦績的には五分五分ですけど、デビュー当初から強い選手たちと揉まれてきたし、それで今でもこうしてK-1のリングで戦っているので、ヘビー級で戦いたいという若い選手たちにどんどん出てきてほしいです。そのためにも僕たちがヘビー級の魅力が伝わる試合をしなければいけないと思います」
トップページへ戻る